メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

第90回選抜高校野球

国学院栃木、競り勝つ 「三本の矢」継投光る /栃木

初戦を突破し喜ぶ国学院栃木ナイン=阪神甲子園球場で

 <2018 第90回記念センバツ高校野球>

     第90回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)は23日開幕し、18年ぶり4回目の出場の国学院栃木は1回戦で英明(香川)に3-2で競り勝った。一回に先制すると、三回には毛塚大陽選手(3年)の適時三塁打で2点を加え、優位に進めた。四回に先発・水沢龍太朗投手(3年)が打球を受けて降板したが、救援した渡辺匠(3年)、宮海土(かいと)(3年)の両左腕投手が好投。甲子園でも「三本の矢」の継投が光り、リードを守り抜いた。2回戦は大会第5日第2試合(27日午前11時半開始予定)、延岡学園(宮崎)と対戦する。【李舜、今野悠貴】


     ▽1回戦

    国学院栃木 102000000=3

    英明戦に出場した国学院栃木の大久保謙亮捕手

    英明    000200000=2

     国学院栃木らしい「スキのない走塁」が、先制点につながった。一回1死一塁。3番の青木寿修(ひさなが)選手(3年)の打球が一、二塁間を破ると、英明の右翼手が打球を後逸した。「外野守備にスキがあると聞いていた」という三塁コーチの菊池進一朗選手(3年)は、この動きを見逃さなかった。「手間取っている姿を見て、迷わずゴーサインを出した」。一塁走者の大栗拓也選手(3年)は、一気に本塁を駆け抜けた。全校生徒約800人を含む約2000人が詰め掛けたアルプス席は、序盤から歓声に包まれた。

     三回には2死一、二塁で、背番号「17」の5番打者、毛塚選手が打席へ。「チャンスを逃さない。自分が決める」と強い気持ちで低めの変化球をとらえ、中堅右へ2点適時三塁打。母博美さん(47)は「大事な場面でよく打ってくれました」と涙ぐみながら声援を送った。

     打線の援護を受けた「三本の矢」も踏ん張った。水沢投手は「調子は最悪だった」というが、三回まではゼロを並べ、リズムを作った。四回は制球を乱し、打球が直撃するアクシデントも重なって2失点で降板。続く1死満塁のピンチでマウンドを託されたのは渡辺投手。「不思議と緊張はなかった」と、外角へのスライダーで併殺打に仕留め、1点のリードを守った。大太鼓をたたく野球部員の小林平さん(3年)は「最高の投球。よくやってくれた」。

     七回からは満を持して抑えの宮投手へスイッチ。「宮、頼んだぞ!」と声援が飛んだ。期待を背に、強気に直球で攻める投球を見せ、3回を無失点。チームを18年ぶりの甲子園勝利へと導いた。

     18年前のセンバツで同校初の4強入りを果たした当時の主将、館野祐輔さん(35)は「今年のチームらしい試合だった。このまま勢いに乗って勝ち進んでほしい」とエールを送った。

    堂々と入場行進

    堂々と入場行進をする国学院栃木の選手たち=阪神甲子園球場で、猪飼健史撮影

     開会式では国学院栃木の選手たちが、約1万7000人の観客の前で堂々と入場行進した。

     選手たちは菊池進一朗選手(3年)や毛塚大陽選手(3年)のかけ声に合わせ、行進した。スタンドから見守った野球部員の矢口侑也さん(3年)は「一緒に頑張ってきた仲間たちが行進しているのは誇らしかった。夏は自分もあそこで行進したい」と話した。【李舜】

    「なまず音頭」披露

     ○…国学院栃木の応援席では、得点を挙げるたびに伝統の「なまず音頭」が鳴り響いた。同校近くを流れる巴波(うずま)川に伝わる民話「なまずの恩返し」にちなんだオリジナル曲。吹奏楽部のOBやOGも加わり特別編成されたブラスバンドの音色に合わせ、メガホンを手にした野球部員や在校生が体をくねらせて踊った。応援団長を務めた野球部の坂巻佑哉さん(3年)は「応援がグラウンドの仲間に届き、スタンドは熱気ムンムンです」と満足そうに話していた。

    お兄ちゃんを応援

     ○…国学院栃木の選手たちにスタンドから懸命に声援を送ったのは、可愛らしい「ちびっ子応援団」。「団長」は先発した水沢龍太朗投手(3年)の弟玄貴さん(7)。左胸に手書きのチームエンブレムが描かれたユニホームを着て、昨秋から練習したという応援歌を披露した。普段は寮生活でなかなか会えない兄の雄姿に、「お兄ちゃんかっこいい」と喜んだ。「副団長」は神田能克(よしかつ)選手(3年)の弟浩平ちゃん(5)。チャンスには赤いメガホンを振り回し、「よっしゃー」と声を上げ、迫力たっぷり。


     ■歓声を背に

    「手応えつかめた」 国学院栃木・宮海土投手(3年)

    宮海土投手

     圧巻の投球を見せたのは、1点リードで迎えた九回2死一、三塁の場面だった。英明の4番打者を直球、直球で追い込むと、最後は外角高めの直球で空振りを奪い、3球三振。「おいしいところをもっていきました」。強気な抑え投手は、会心の笑顔で振り返った。

     晴れ舞台で笑顔を見せるまでには、挫折も味わった。昨年4月の春季県大会出場をかけた試合で、けがをした先輩の代役で背番号「1」をつけた。しかし、先発した足利戦は2回4失点で降板。チームはそのまま敗れた。「野球人生で一番情けない経験だった」

     その直後、指導者として母校に戻った三浦純コーチ(26)と二人三脚での復活劇が幕を開けた。「体の使い方が悪い」と指摘を受け、走り方などスポーツ選手としての基礎から鍛え直した。「きついことも多かったが、自分の成長のために三浦コーチに全てを任せた」。球威は増し、新チームでは柄目(つかのめ)直人監督が命名した「三本の矢」の投手の一角として、強気な内角攻めでチームを勝利に導いてきた。

     この日は七回から登板。「調子があまり良くなかったので攻めの気持ちを持ち続けた」と打者の胸元を突く直球を軸に、一歩も引かなかった。3回を被安打2、無失点。三浦コーチも「自信になったと思う。よく頑張った」とねぎらった。

     「自分のボールが甲子園でも通用する手応えをつかめた。センバツで成長していきたい」。目標とする「先発完投」への道を切り開く。【李舜】

    毎日新聞のアカウント

    8月17日の試合

    話題の記事

    関連サイト