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第90回選抜高校野球

明秀日立4-3瀬戸内 明秀日立、信念の強振

 <2018 第90回記念センバツ高校野球>

    第1日(23日・阪神甲子園球場)

     ○…1回戦…○

     ▽午後3時29分開始(観衆1万4000人)

    明秀日立(茨城)

      001010002=4

      101100000=3

    瀬戸内(広島)


     明秀日立が逆転勝ちした。1点を追う九回無死一、三塁から増田の右前適時打で同点。さらに1死二、三塁から池田が中犠飛を放った。先発の細川は六回以外は毎回走者を背負ったが、要所を締めて3失点完投。瀬戸内は三回に相手のミスで勝ち越し、四回に新保の適時二塁打でリードを広げたが、先発の浴本が最後に力尽きた。

     ■白球を追って

    代打に「打て」九回連打

    【明秀日立-瀬戸内】九回表明秀日立無死一、三塁、増田が右前適時打を放つ=阪神甲子園球場で2018年3月23日、猪飼健史撮影

     安打を積み重ねるも、あと一本が出ない。瀬戸内のエース浴本に粘られる展開が続いていた明秀日立の打線が、土壇場でようやくつながった。

     九回、先頭の有住が左前打で出塁。ここで代打・佐伯が送られた。金沢監督の選択肢に犠打はなく、サインは「打て」。追い込まれながらも佐伯は「相手投手は強気が持ち味。直球が来る」。フルカウントから狙い通りの球を右前に運んで好機を広げた。続く打席には主将の増田。三回に自らの失策で失点し、長打を放った一、七回は走塁ミスで好機をつぶしていただけに、燃えないはずはなかった。

     「俺が還す」。初球のスライダーを捉えると痛烈な打球が一、二塁間を抜け、同点に。さらに犠打で1死二、三塁とし、浴本を降板させる。後続が決勝点を挙げた。

     センバツ出場を決めた金沢監督は「打ち勝つ野球」を掲げ、冬場は1日500~600球の打ち込みを課してきた。実際、この日も5長打を含む11安打。成果は出た。

     「明秀と言えば、打って、打って、打ち勝つというのを作りたい」と指揮官。茨城県北部の「県北(けんぽく)」から29年ぶり出場となった新鋭が、歴史的な一ページを刻んだ。【倉沢仁志】

    敬遠か勝負か

    【明秀日立-瀬戸内】九回裏瀬戸内2死三塁、門叶が内野フライに倒れ、ゲームセット=阪神甲子園球場で2018年3月23日、平川義之撮影

     ○…明秀日立は九回に二塁手から捕手に回った芳賀の土壇場の判断が結果的に「吉」と出た。逆転した後の九回2死三塁、打席に注目のスラッガーの瀬戸内・門叶を迎え、金沢監督は敬遠するよう伝令を送った。右腕・細川は初球を指示通りに外角高めに投げたが、芳賀が立たなかったため、敬遠と分からないような高さとコースのボール球に。門叶はバットが届く分、手を出してしまい、二飛に終わった。細川は「敬遠球を投げたつもりが……」と苦笑い。一方、芳賀は「勝負を選んだ。厳しいところなら手を出してくれるかもと思った」としてやったりの笑顔だった。

    宣誓大役、成長の2安打 新保利於(しんぽ・りお)遊撃手=瀬戸内・3年

    【明秀日立-瀬戸内】四回裏瀬戸内2死二塁、新保が中堅左へ適時二塁打を放つ=阪神甲子園球場で2018年3月23日、久保玲撮影

     同点のホームは遠かった。九回2死三塁で4番・門叶(とがの)の二塁後方への飛球で本塁を踏んだが、二塁手の捕球を確認すると、両手を両膝に突いて頭を下げ悔しさをかみしめた。

     攻撃では2安打1打点の活躍。1点リードの四回2死二塁で、変化球を中堅左に運ぶ適時二塁打で突き放し、「うまく反応できた」。九回1死では内野安打を放ち、三塁に進んで望みをつないだ。守備でも七回無死二塁で、遊ゴロを冷静に三塁に送球して相手の反撃機を潰した。

     開会式では主将として選手宣誓の大役を果たした。前夜は宣誓と試合へのプレッシャーから普段の約半分の4時間しか眠れなかったという。それでも、大役を立派にこなすとうまく切り替え、試合に集中して臨んだ。「選手宣誓をして成長できたことで平常心でプレーできた」

     試合後、相手チームの校歌を聞いて涙があふれたが、「最高のゲームだった」。貴重な経験をした、長く、充実した一日だった。【佐野優】

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