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選抜高校野球

故郷に夢と希望を 秋田の出身小、今月閉校

センバツ出場をかなえた由利工の畑山陸翔主将(左)と日大山形の近藤皓介投手=兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で2018年3月22日、川口峻撮影

由利工・畑山主将と日大山形・近藤投手 ダブル出場

 21世紀枠でセンバツに初出場した由利工(秋田)の畑山陸翔(りくと)主将(3年)と日大山形(山形)の近藤皓介投手(3年)は、秋田県にかほ市で同じ市立上郷(かみごう)小学校に通っていた。同小は統廃合で今月閉校するため、卒業生の「ダブル出場」が寂しさを感じる地域の人たちを元気付けている。24日、由利工は日大三(東京)に敗れたが、畑山主将は「地元の人たちに全力で楽しんでいる姿を見せられた」と話した。

 2人の母校は田んぼに囲まれ、冠雪した鳥海山を望むのどかな地域にある。小学3年で一緒に地元の野球チームに入ると、小柄な畑山主将が捕手となり、近藤投手と近所のビニールハウスで投球練習を繰り返した。

 上郷小は当時から1学年1クラス。いつ閉校してもおかしくないとうわさされていた。「野球ですごい記録をつくって『上郷小』をみんなに覚えてもらおう」。幼いバッテリーは目標を立てたが、達成できないまま卒業した。

 2人が巣立って5年がたち、全校生徒が61人まで減った上郷小は来年度から市内の別の学校に統合され、142年の歴史に幕を閉じることになった。同小OBで、小学生の2人に野球を教えた新田豊晴さん(71)は、子供の声が聞こえなくなることへの寂しさから閉校に納得していないが、「学校がなくなる代わりに2人が大きな舞台に立つ。特別な意味があるかも」と話す。

 2人の小学校の担任で、今も同小で教壇に立つ菱刈奈保子さん(52)も「小さな学校で学んだ子でも努力すれば夢はかなうと証明してくれた。転校を前に不安を抱える在校生を勇気付けてくれている」とほほ笑む。

 日大三との対戦で五回からマスクをかぶった畑山主将。相手打線の勢いを止められなかったが笑顔は絶やさなかった。スタンドで見守った父千代己さん(55)は「近所の人にも『感動した』と言ってもらえた」と話した。

 日大山形は25日、智弁学園(奈良)との初戦に臨む。近藤投手は言う。「みんなの心に『上郷小』を刻めるかもしれない。自分のプレーでたくさんの人に夢と希望を与えたい」【川口峻、的野暁】

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