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第90回選抜高校野球

富山商、追いつくも涙 土持ち帰らず「夏も来る」 /富山

試合後、アルプススタンドにあいさつに向かう富山商の選手たち=阪神甲子園球場で、平川義之撮影

 <センバツ2018>

     創部100年の今年の初公式戦で、富山商ナインが刻んだ1ページは、ほろ苦い経験になった--。第90回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)第3日第2試合の25日、9年ぶり6回目出場の富山商は智弁和歌山(和歌山)と対戦し、2-4で敗れた。二回に先制し、その後勝ち越されても五回に追い付く大接戦。しかし、八回に再び勝ち越された。選手たちは試合後、甲子園の土は持ち帰らずに「夏に必ず戻ってくる」との決意を胸に球場を後にした。【鶴見泰寿、三瓶杜萌】

    智弁和歌山

     001100020=4

     010010000=2

    富山商

     「一戦必勝」の思いで臨んだ富山商ナイン。主将の福島幹二塁手(3年)は「挑戦者として全国レベルの智弁和歌山に食らい付きたい」と闘志を燃やし、グラウンドに立った。主戦の沢田龍太投手(3年)はマウンドに立つと、ふっと息を吐いてから初球を投げた。

     二回裏、昨秋の新チーム結成後初スタメンとなった5番・前田幸輝一塁手(2年)が「絶対勝つぞ」と内野安打で出塁。1死三塁で沢田投手が左前適時打を放つと、一塁側アルプススタンドの母明子さん(46)は「まさか打ってくれるとは」と喜び、「最後まで完封できるよう、息子に良い風が吹くことを祈っている」と話した。

    富山商ナインに声援を送るチアリーダーたち=阪神甲子園球場で、三瓶杜萌撮影

     1点を追いかける五回裏では、死球で出塁した沢田投手が二つの犠打で三塁へ。次の打者、横尾和樹左翼手(3年)には、勝ち越された四回表の守備で悔いがあった。レフト線の打球を「アウトにできたのに途中で見失ったため、三塁打にしてしまった」。

     何としても沢田投手を生還させかった横尾左翼手。「沢田にばかり頼ってはいられない」とバットを振り抜くと左前適時打になった。スタンドの父宗憲さん(44)は「皆がつないだ走者をよく還した」と両手を突き出して喜んだ。

     2点を追う九回裏2死、代打の奥井颯汰選手(3年)が「絶対に追い付く」と内野安打で出塁したが、後続を断たれた。最後まで勝利を諦めずにプレーしたナインを応援団や父母らは「よくやった」「頑張った」と大きな拍手でねぎらった。

    憧れの地で母に雄姿見せ 沢田龍太投手(3年)

    富山商先発の沢田龍太選手=阪神甲子園球場で、森園道子撮影

     九回表の161球目。七つ目の三振を奪うと雄たけびを上げた。一塁側アルプススタンドの母明子さん(46)に雄姿を見せようと、強打の智弁和歌山打線を相手に力投し、小学生の時から憧れの夢のマウンドで躍動した。

     幼い頃から自宅近くの公園で明子さんとキャッチボールをした。小2で野球を始め、高1の秋から背番号「1」を背負った。明子さんはずっと、朝早くからの弁当づくりなどで支えてくれた。「甲子園で活躍する姿を見せたい」と心に誓った。

     昨秋の北信越大会後、「全国で通用するために」と課題の直球に磨きをかけ、この日、自己最速の143キロを記録した。「空振りさせ、確かな手応え」を感じた。打っては二回裏1死三塁の場面で変化球を狙い、外に逃げるカーブを先制点となる左前適時打にした。

     チームの大黒柱として投打で奮起したが、敗戦となった。「勝利が母への恩返しになる。夏にもう一度、甲子園のマウンドに立ちたい」【鶴見泰寿】

    120周年タオルで応援

    応援用オリジナルマフラータオルを持って校歌を歌う富山商の野球部員ら=阪神甲子園球場、三瓶杜萌撮影

     ○…富山商側のアルプススタンドでは、今年度の学校創立120周年記念品の応援用オリジナルマフラータオル(縦9センチ、横108センチ)を生徒らが両手で持って校歌に合わせて大声援を送った。スクールカラーの紫紺のタオルには「TOMISHO」などの白文字が入っており、生徒会長で応援部団長の山田陽大(あきと)さん(3年)は「タオルをしっかり使って、応援でも智弁和歌山に勝ちたい」と張り切っていた。

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