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第90回選抜高校野球

明徳義塾7-5中央学院 明徳4番、2死回生

【明徳義塾-中央学院】九回裏明徳義塾2死一、二塁、谷合が逆転サヨナラとなる3点本塁打を放つ=渡部直樹撮影

 <2018 第90回記念センバツ高校野球>

    第3日(25日・阪神甲子園球場)

     ○…2回戦…○

     ▽午前9時2分開始(観衆4万人)

    中央学院(千葉)

      000100040=5

      300000013=7

    明徳義塾(高知)


     明徳義塾が今大会初のサヨナラ勝ち。1点を追う九回2死無走者から、田中の中前打、渡部の死球で一、二塁とし、谷合が中越えに3点本塁打を放って逆転した。先発の市川は5失点したものの毎回奪三振の力投。中央学院は八回1死満塁から高鹿、西村の適時打で4点を奪って一時は逆転したが、エース大谷が最後に力尽きた。

     ■白球を追って

    八回伏線、直球一撃

     勝った明徳義塾の馬淵監督が漏らした。

     「野球は怖い」

     明治神宮大会覇者の明徳は1点を追う九回、2死無走者と追い詰められた。田中、渡部が粘って一、二塁とすると、打席に入ったのは谷合。4番ながらこの日4打席全て凡退していた。ただ、中央学院バッテリーは5打席目は攻め方を一変させた。それまで変化球を織り交ぜて打ち取っていたにもかかわらず、全球直球勝負に出た。

     その伏線は八回にあった。明徳は2死から中隈が内野安打で出塁すると、二盗を成功させた。続く安田の左前打で一気に生還し、1点差に迫った。馬淵監督は九回も田中が中前打するとすぐに代走・保市を送った。機動力を警戒させたことが、バッテリーに直球勝負を選択させる一因となったのだろう。

     カウント1-1からの3球目。中央学院のエース・大谷が外角低めを狙って投げた139キロの直球は高めに浮いた。谷合は「何としても食らいつく」。打った感触が手に残らないというほど集中していた。快音を残した打球は一直線にバックスクリーンに飛び込み、逆転サヨナラ3ランとなった。大歓声に迎えられて生還した谷合は、ベンチから飛び出してきた仲間から手荒い祝福を受けた。

     「高さや球種を間違えると天国と地獄よ」と甲子園通算50勝目を手にした指揮官。明治神宮大会2回戦の雪辱を期した中央学院を、不振の主砲が一振りで返り討ちに。秋の王者の底力だった。【倉沢仁志】

    明徳義塾打線を相手に投げ抜いた中央学院の大谷=森園道子撮影

     ■春きらめく

    サヨナラ被弾、涙を糧に 大谷拓海投手=中央学院・3年

     試合終了直後は涙が止まらなかった。「あの1球で、校歌を歌っているのが逆だったかもと思うと……」。つかみかけた白星を目前で逃し、甲子園の厳しさをかみしめた。

     一回は直球が上ずり、先頭打者に四球を与えた。さらに自らの犠打野選でピンチを広げる。2死一、三塁から中隈、安田の連続適時打で3失点。ともに甘い直球をとらえられ「四球を気にしすぎた」と悔しがった。二回以降は打たせて取って立ち直ったが、九回も死球でピンチを広げた。初めて浴びたというサヨナラ本塁打は「変化球をうまく使えばよかった。勝ち急いでしまった」と唇をかんだ。

     高校通算25本塁打の打力も武器で、この日は1番での起用。一回の右前打で「チームを勢いづけられた」と振り返ったが、以降は無安打。八回に逆転につながる四球を選んだものの「直球の切れも制球もよかった」と相手エース市川をたたえた。

     二刀流で注目を集めたが、より重視するのは投手の方。「置きにいく投球を続けてしまったので、腕を思い切り振ってストライクを取れるようになりたい」と前を向いた。【野村和史】

    5失点に「20点」

     ○…明徳義塾の右腕・市川は毎回の11奪三振で完投したが、5失点に渋い顔だった。突如崩れたのが2点リードの八回。左打者へのスライダーの制球が乱れて連続死球などで1死満塁とし、高鹿にスライダーを左前へ運ばれて同点。さらに、西村にもスライダーを中前へはじき返されて2点を勝ち越された。「(連続死球は)左打者の内角へのスライダーを意識しすぎて(球が指に)引っ掛かった。(それで)精神的に崩れていった」と市川。投球時に体が開く悪癖も出て、適時打を浴びた。サヨナラ勝ちで救われたが、自己採点は「20点」と厳しかった。

    大役4番で結果

     ○…中央学院は秋の公式戦無安打の4番・高鹿の初安打が貴重な同点打となった。秋は4番だったエース大谷がこの日は1番に回ったため、公式戦で初めて4番に。3打席目までは力み過ぎ、変化球にタイミングが合わずに空振りの3三振。開き直った八回1死満塁は初球を左前に運んで2点適時打とし、「役割を果たせた」。しかし、相手の4番・谷合が逆転サヨナラ本塁打。「悔しいが、拍手を送りたい」とたたえた。

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