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第90回選抜高校野球

大阪桐蔭14-2伊万里 大阪桐蔭、横綱相撲

【伊万里-大阪桐蔭】二回裏大阪桐蔭1死二、三塁、根尾が中前2点適時打を放つ=猪飼健史撮影

 <2018 第90回記念センバツ高校野球>

    第4日(26日・阪神甲子園球場)

     ○…2回戦…○

     ▽午前11時26分開始(観衆4万5000人)

    伊万里(佐賀)

      000000011=2

      53040110×=14

    大阪桐蔭(大阪)


     大阪桐蔭が20安打14得点で大勝した。一回、宮崎、青地の連続長短打で先制。さらに根尾の左翼への適時三塁打などで計5点を挙げた。二回は根尾の中前2点適時打などで3点を加え、試合を決めた。先発・柿木は球威があり、6回無失点で10奪三振。伊万里は投手が力不足で大量失点し、打線も2点を返すのがやっとだった。

     ■白球を追って

    引きつけて20安打

     大阪桐蔭打線の打球が面白いように次々と外野の芝生で弾んだ。先発全員の20安打。大会記録まであと4本に迫る猛攻は、直球でも球速110キロ台の伊万里の右腕・山口修の「遅球」を攻略したことで生まれた。

     象徴的なのが一回、1点先制後の2死一塁で左打席に入った根尾だ。外角チェンジアップを手元まで呼び込んで振り抜き、遊撃手の頭上をライナーで抜く適時三塁打を放った。「緩い球は引きつけて、最後まで見るのが大事」。フォロースルーの大きい振りが伝統の大阪桐蔭だが、この日は一発狙いを捨て、全員が根尾のように球を呼び込んでたたく打撃を貫いた。

     基本に忠実なスイングのレベルの高さに、山口修は「速い球を覚えたい」と嘆くしかなかった。

     基礎レベルが高いのは走塁も同じだ。6点リードの二回1死一塁では、右前打を放った藤原が右翼手の打球処理の遅れを突き、全力疾走して二塁打に。藤原は痛み止めを飲むほどの右膝痛を抱えるが、「(二塁に)行けるなと思ったので行った」と振り返る。次の塁を積極的に狙う姿勢を涼しい顔で遂行し、続く根尾の中前2点適時打で生還した。

     14得点に「大きいのはいらない。小さくつないでいく甲子園バッティングができた」と満足顔の藤原。見据えるのは春3校目の2連覇のみ。横綱相撲で偉業へ勢いをつけた。【新井隆一】

    戻ってきた主戦

     ○…大阪桐蔭の先発右腕・柿木が6回を2安打無失点。「(相手打者は)外の球に合わせるのがうまいので、逃げる球が有効」と140キロ前後の直球とスライダーだけで10三振、毎回3人ずつで終えた。昨夏の甲子園は3回戦で仙台育英(宮城)に逆転サヨナラ負け。屈辱を味わったマウンドにエースとして戻ってきた。「打者に向かっていく気持ちだけは強かった。全試合先発する」と気合十分だった。

     ■春きらめく

    サングラスの主砲、涙の敗退 梶山勇人捕手=伊万里・3年

    【伊万里-大阪桐蔭】三回裏大阪桐蔭1死三塁、打球を捕球する伊万里の捕手・梶山=渡部直樹撮影

     一塁ベースからサングラス越しに映った、満員の三塁側アルプスは揺れているように見えた。「涙をこらえるので精いっぱい」と、必死に平静を装った。

     その景色は自らのバットでつかんだ。九回無死一、二塁。大阪桐蔭の左腕・森本の甘い直球を引きつけて右前へ運んだ。チーム唯一の2安打に「1本目は合わせただけだが、2本目は捉えられた」。スイングの軌道を内から出せるように、素振りやティー打撃に取り組んだ冬場の成果が最後の打席で出せた。

     初めての夢舞台は大敗。「正直、めちゃくちゃ悔しい」と漏らすが、すがすがしい表情なのは、周囲の支えを改めて感じたからだ。

     小学3年生で黒目が白い膜で覆われる病気「翼状片」を発症した。野球を続けるため、小学5年生の時に紫外線から目を守るために黒いサングラスを母が買ってくれた。父は所属チームの選手に病状を説明してくれた。「野球を続けさせてくれた両親に感謝したい」。黒土のついた両手には「体の一部」というサングラスが握られていた。【安田光高】

    苦笑いの適時打

     ○…伊万里の最初の得点は7番・末吉のバットから生まれた。八回1死一塁で「ストレートだけに絞っていた」と初球の内寄りの直球をフルスイング。高く上がった打球は左翼フェンスを直撃し、走者を還した。もっとも、打った直後は「感触が良かったので、本塁打になると思って打球を見ていた」と余韻に浸っていたことがあだとなり、一塁ベースを踏み忘れた。慌てて戻ったため、単打にとどまった。「色気が出てしまった」と苦笑いの適時打だった。

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