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第90回選抜高校野球

創成館2-1智弁学園 劇的弾、創成館が土壇場の底力

【智弁学園-創成館】十回裏創成館2死、松山がサヨナラ本塁打を放つ=森園道子撮影

 <2018 第90回記念センバツ高校野球>

    第8日(30日・阪神甲子園球場)

     ○…3回戦…○

     ▽午後1時54分開始(観衆1万7000人)

    智弁学園(奈良)

      0010000000=1

      0000000011=2

    創成館(長崎)

     (延長十回)


     ■白球を追って

    初の3番、大仕事

     甲子園で初めて3番を任された男が大仕事をやってのけた。九回に追い付き、今大会初の延長戦に突入した十回。2死走者なしで打席に入ったのは今大会、ここまで7打数無安打の創成館・松山だった。「直球を狙っていたが苦手な変化球に体が勝手に反応した」。打球は追い風に乗ってぐんぐん伸び、中堅手の頭上を越えてバックスクリーン左に飛び込んだ。自身の公式戦初本塁打がサヨナラ本塁打となった。

     九回の攻撃で勝利をつかんでいても、おかしくない状況だった。深見、野口の連打と鳥飼の送りバントで1死二、三塁の好機を作る。平松の飛球を中堅手が落球して同点。さらに1死満塁で代打・埜川の打球を遊撃手がハーフバウンドでさばいたが、走者は直接捕球したと判断して走らず併殺打に。一打サヨナラの絶好機を逃して嫌な雰囲気になりかけたが、「すぐに切り替えた」と松山。そんな空気を「最もボールに食らいつける男」(稙田監督)が一振りで吹き飛ばしてみせた。

     昨秋の明治神宮大会は、2回戦で聖光学院、準決勝で大阪桐蔭を破って準優勝。甲子園常連校に勝って自信をつけたことが底力につながっている。今大会も競り合いを制して、夏を含めて甲子園で初となる1大会2勝を挙げた。「神宮大会での勝利がまぐれだと言われないように、甲子園でもさらに勝ち上がりたい」と稙田監督。ここで満足するつもりはない。【浅妻博之】

     ■春きらめく

    はやる気持ち、名手に迷い 左向澪(さこう・れい)中堅手=智弁学園・3年

    二回裏創成館2死二塁、徳吉の打球を好捕する智弁学園の左向=猪飼健史撮影

     守備に絶対的な自信を持っていたが、はやる気持ちが大きなミスにつながった。

     1点リードの九回裏の守備。1死二、三塁で創成館の7番・平松の浅めの飛球に助走を付けて走り込んだが、落下地点で一瞬の狂いが生じた。「バックホームの思いが先に出て、捕ることがおろそかになってしまった」。本塁で刺せる自信はあったが、グラブで触りながらも落球。三塁走者の生還を許した。

     50メートル5秒7はチーム一の俊足。遠投105メートルの強肩だ。二回2死二塁では中堅右寄りの飛球をダイビングキャッチしてピンチを救った。延長十回1死では大飛球を下がりながら捕球する好プレーを見せた。攻撃でも先制のホームを踏んだが、「他にいいプレーをしてもぬぐえない。自分のミスで負けた」。

     甲子園で一つのプレーの大切さとミスの怖さを改めて思い知らされた。「過去に戻ることはできない」。苦い思いを、今後の野球人生の糧にするだけだ。【佐野優】

    強気のチェンジアップ

    九回までの6回を1安打に封じた創成館2番手の酒井=渡部直樹撮影

     ○…創成館に流れを引き寄せたのは、2番手の右腕・酒井。1点を追う四回からマウンドに上がると、「流れを作るつもりで、強気で押した」。130キロ台中盤の速球と110キロ台のチェンジアップがさえ、九回までの6回を内野安打1本に封じた。体育の授業中に左脚を負傷し、昨秋の公式戦は登板しなかったが、稙田監督に「諦めず春に向けて頑張れ」と励まされて筋力アップに励んだ。「ずっとこの日のために準備してきた。結果が出てよかった」。声が弾んだ。

     創成館は1点を追う九回に敵失に乗じて同点とすると、延長十回に松山の中越えソロでサヨナラ勝ちした。2番手の酒井が6回無失点と好救援。3投手をつないで最少失点でしのいだ。智弁学園は三回に藤村の適時二塁打で先取点を奪ったが、四回以降はわずか1安打。好投を続けていた先発・伊原を援護できなかった。

    八回まで無失点の好投を見せた智弁学園先発の伊原=渡部直樹撮影

    九回に落とし穴

     ○…球威のある直球を内外角に投げ分け、八回までゼロを並べた智弁学園のエース左腕・伊原。だが1点リードの九回に落とし穴が待っていた。「投げ急いでしまった」と制球が甘くなり、2者連続で左前打を許す。1死後、中堅手が飛球を落とし同点。四球で塁を埋めたところで降板した。「(中堅手も)良いプレーをしていたし、(本塁打を浴びた)川釣も良い球を投げていた。自分が油断して、ああいう流れになった」と自らを責めた。

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