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第90回選抜高校野球

智弁和歌山11-10創成館 智弁和歌山、超攻撃力

 <2018 第90回記念センバツ高校野球>

    準々決勝(1日・阪神甲子園球場)

     ▽午前11時1分開始(観衆4万1000人)

    創成館(長崎)

      3011202001=10

      0110401022=11

    智弁和歌山(和歌山)

     (延長十回)


    【創成館-智弁和歌山】十回裏智弁和歌山2死一、二塁、黒川がサヨナラ左越え2点二塁打を放つ=渡部直樹撮影

     智弁和歌山が5点差から逆転勝ちした。2点を追う九回2死満塁で平田が左前2点適時打。十回に1点を勝ち越されたが、その裏の2死一、二塁、黒川が左越えに逆転サヨナラ2点適時二塁打を放った。創成館は七回に野口の中前2点適時打で点差を広げ、延長十回には鳥飼の左犠飛で勝ち越したが、投手陣が10四死球を与えて逃げ切れなかった。

     ■白球を追って

    十回、逆転サヨナラ打 6番「神様、打たせて」

     「野球の神様、打たせてくれ」--。1点を追う延長十回2死一、二塁、智弁和歌山の6番・黒川は打つ自信があったが、祈らずにはいられなかった。

     3球で追い込まれたが、そこにチェンジアップが浮いてきた。日々の練習後の3時間の素振りで磨いた最短距離の軌道でスイングすると、打球は左翼手の頭上を越えて、走者2人が生還した。ようやく納得の打撃ができた黒川は「神様が見ていてくれた」とホッとした笑みを浮かべた。

     今大会では2試合で7打数無安打だったが、打撃の感触は悪くなかった。この日の朝の練習でも「バンバン飛ばしていた」(高嶋監督)。中谷コーチの「野球の神様を信じるしかない」という言葉だけを胸にしまった。生まれて初めて神頼みをした二回無死、反撃ののろしとなる今大会初安打の左越えソロ。「神様が(風で)運んでくれただけ」と手応えはなかったが、最後に自分の打撃ができた。

     チームは14安打11得点で、最大5点差をはね返す大逆転劇。圧倒的な攻撃力で春に準優勝、夏に全国制覇した2000年の「強打の智弁和歌山」をほうふつとさせた。センバツ4強はそれ以来。「次は神様に頼まずに打つ」という黒川をはじめ選手たちの目には、24年ぶりの優勝しか見えていない。【吉見裕都】

    【創成館-智弁和歌山】九回裏智弁和歌山2死満塁、平田が左前2点適時打を放つ=阪神甲子園球場で2018年4月1日、森園道子撮影

    エース「奇跡」の同点打

     ○…九回に起死回生の同点左前2点適時打を放った智弁和歌山のエース右腕・平田は「奇跡です。(劇的な安打は)人生で打ったことない」と笑顔がはじけた。2死満塁で創成館の左腕・川原の高めの直球を逃さなかった。「僕は真っすぐしか打てないので、真っすぐに絞った」と明かした。投げては六回から3番手で登板したが、七回に3安打を浴びて2点を失うなど苦しい投球。「僕が取られた点なので、(走者を)還すことしか貢献できないと思っていた」と執念の一打だった。

    七回表創成館2死二、三塁、野口が中前2点適時打を放つ=渡部直樹撮影

     ■春きらめく

    5打数5安打 努力家成長 野口恭佑左翼手=創成館・3年

     左翼への浅い飛球を確認すると、三塁走者として「アウトになってもいいから本塁を狙う」と決断した。同点の延長十回1死、鳥飼の左犠飛で50メートル走6秒2の俊足を飛ばして生還。打っても七回の中前2点適時打を含め、人生初という5打数5安打をマークした。

     昨秋は1番打者だったが、3月上旬に左足を打撲し、下関国際との初戦は途中出場。悔しさから宿舎の屋上で毎日約2時間、ティー打撃で振り込んできた。「自信を持てるまでずっとやった」ことが積極的なスイングにつながった。

     中学2年の冬、初めて甲子園の外観を見て大きさに感動し、近くの神社の絵馬に「甲子園で活躍する」と記した。当時の野球部員は6人で、サッカー部員を借りて試合に出場するような環境だったが、「甲子園に出るなら創成館」と進学した。

     稙田監督が「努力家」と認める右打者は中軸に成長し、絵馬に書いた夢もかなえた。「ここでプレーできたのは大きな財産」。甲子園は夢を与え、夢をかなえさせてくれる場所だと分かった。【安田光高】

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