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第90回選抜高校野球

決勝 近畿対決、春のせて アルプス熱気

大阪桐蔭の応援団=阪神甲子園球場で2018年4月4日、幾島健太郎撮影

 <2018 第90回記念センバツ高校野球>

     2年連続の近畿勢対決となったセンバツ第12日の4日、決勝は大阪桐蔭が智弁和歌山を降し、史上3校目の春連覇を達成した。甲子園球場のスタンドは約3万9000人の大観衆で熱気に包まれた。 【日向梓、今野悠貴、三瓶杜萌】

     午前10時の開門時には、ライバル対決を少しでも近くで見ようと約4700人のファンらが球場に並んだ。一塁側ベンチ裏の観客席最前列を確保した京都市山科区の高校3年、山本優芽(ゆめ)さん(17)と大庭菜々美さん(17)は、連日甲子園に来場。山本さんは「いつもベンチ裏に来ている。選手の表情を見られるから楽しい」と目を輝かせた。

     決勝で大阪桐蔭は追いついてから勝ち越しリードを広げた。大阪桐蔭で2012年に春夏連覇した藤浪晋太郎投手(現阪神)と同級生の大阪府寝屋川市、会社員、幣陽太(へいしょうた)さん(23)は「絶対負けられない対決」と声援を送り、勝利を喜んだ。

    決勝の応援をする智弁和歌山の応援団=阪神甲子園球場で2018年4月4日、幾島健太郎撮影

     智弁和歌山のスタンドも最後まで全力で応援。同校3年の応援団員、谷村和崇さん(17)は「選手たちは悔しい思いをしてきたので全力で後押ししたい」と話し終盤まで声を振り絞った。しかし、追いつけないまま試合終了。吹奏楽部顧問の酒越光覚(さかごしこうかく)さん(53)は「良い試合は相手があってこそ」と両校をたたえた。

     京都府宇治市の小学4年、阿部大尊(たいそん)さん(9)と小学3年の児玉了馬さん(8)は今大会2回目の来場。「2校とも進学したい憧れの学校。最後まで諦めないプレーに感動した」と話していた。

    父の経験、この胸に 智弁和歌山・黒川史陽選手

    準決勝の東海大相模戦で十回、左前適時打を放った黒川史陽選手=阪神甲子園球場で2018年4月3日、猪飼健史撮影

     智弁和歌山の黒川史陽(ふみや)選手(2年)は、1993年のセンバツ覇者、上宮(大阪)の主将だった父洋行(ひろゆき)さん(42)からアドバイスを受け、今大会もチームを勝利に導く好打を放ってきた。決勝の舞台に立った今、父は「憧れではなく負けたくない存在」。肩を並べるため、この日に臨んだ。

     東海大相模(神奈川)との3日の準決勝、2点を追う八回2死一、二塁。打席に立つ冨田泰生選手(3年)に「次の俺に絶対回してください」と告げた。四球で満塁となり、自らは打球を中前に運んで同点のタイムリー。チームはその後勝ち越し値千金の好打だった。

     奈良県河合町の「野球一家」育ち。幼稚園からグラウンドを駆け回った。3人兄弟の2番目で、兄大雅(たいが)さん(20)は日南学園(宮崎)に進み、2016年春夏、甲子園に出場。自身も父と兄の後を追うべく、強豪の智弁和歌山に進んだ。

     「いろいろな試合を見て勉強しなさい」。父は自身の経験からアドバイスしてくれる。今でも空いた時間は動画サイトでプロの試合、センバツの期間中は、試合の録画を誰よりも長くチェックする。

     準々決勝の創成館(長崎)戦前日は、洋行さんから「開き直って堂々とプレーしなさい」とアドバイスされ、そのおかげもあってサヨナラ打を放てた。

     大阪桐蔭には、昨夏の甲子園や秋の近畿大会決勝で敗れている。「決勝での対決は一番望んでいた状況」。試合で完全燃焼したことを父に報告する。【木原真希、日向梓】

    母の激励、この足に 大阪桐蔭・藤原恭大選手

    準決勝の三重戦で十二回裏、サヨナラ二塁打を放った藤原恭大選手=阪神甲子園球場で218年4月3日、猪飼健史撮影

     大阪桐蔭の藤原恭大(きょうた)選手(3年)は昨年10月、練習中に右膝を負傷した。5カ月間、走塁練習などから離脱したが、「今できることを」との母の言葉を胸にフォームを改善し打撃力を強化した。今大会は準決勝でサヨナラ打を放つなど、公式戦で初めて任せられた4番の役目を果たした。

     50メートル5秒7の俊足を生かし、1年夏から外野手で活躍。昨春の履正社(大阪)とのセンバツ決勝は本塁打2本を放ちチームを春2回目の頂点へ導いた。

     しかし昨年10月、練習中のスライディングで右膝を痛めた。焦りから、痛みが出ても「全力で走れます」と強がったが、西谷浩一監督(48)に「後に響いたらどうするんだ」と制止された。治療に専念。母道子さん(41)が病院まで車で送迎してくれた。開幕直前まで足を使った練習から外れたが、道子さんは「焦らないで。今できることをよく考えて」と励ましてくれた。

     「足が難しければ打撃を強化しよう」。膝に体重を乗せた打撃フォームを、脚を開いて「股関節に乗せるイメージ」に改善。痛みは和らぎ、長打力が上がった。膝は回復途上だが、準決勝の三重戦は延長十二回裏2死一塁、左中間に二塁打を放って試合を決めた。

     開幕後、「けがをしている間、病院に送ってくれてありがとう。甲子園では悔いなくフルスイングします」と宿舎で母に手紙を書いた。文面を見て「成長を感じた」と喜んだ母のため、グラウンドで雄姿を見せられたと思っている。【加藤佑輔】

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    4月3日の試合

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