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高校野球・新世紀

第6部 制限される現場/5止 増える共働き世帯 「お茶当番」廃止の動き

4月に新潟県長岡市内のホテルであった長岡大手の新入生の保護者総会=同校保護者会提供

 新入生の母親が不安げな様子で聞いた。「忙しくて(選手の)送迎や応援も必ず行けるとは限らないですが、大丈夫でしょうか」。先月21日に新潟県長岡市内で開かれた長岡大手(新潟)野球部の保護者会総会。安達誠会長(51)が「送迎はやれる保護者がやるのがうちのスタンス。応援も強制参加ではありません」と答えると、母親は安心した表情を見せた。

 全国的に少年野球や中学野球では、子供の送迎、練習や試合でのお茶配りなどで保護者がチームに早朝から半日以上同行するケースが少なくない。高校野球では試合で、部員の母親が当番制で観戦客に茶や菓子を振る舞うのが慣習となっている。しかし、共働き世帯が増えた近年、こうした当番が保護者の大きな負担になっており、そのために子供の入部をためらう親もいる。

 子供の野球離れにつながることから、都道府県高校野球連盟を中心に「お茶当番」廃止の動きが広がっている。新潟県は一昨年末、県中学校体育連盟と連携して加盟校にお茶当番の自粛を求めた。長岡大手では約5年前に廃止しており、県高野連の監督部会長(当時)として自粛通達を主導した同校の鈴木春樹監督(47)は「10年ほど前は五回終了時にバックネット裏で両校の親が盆を持って茶や菓子を配り、まるで親同士が競い合っているようだった」と振り返る。

 島根県高野連も昨秋に「お茶接待の自粛」を加盟校に通達し、小学生の加盟する軟式野球連盟や県中学校体育連盟とともに「お茶当番」廃止に取り組む。万治正理事長(51)は「スポーツ少年団まで広げることで、野球部に入りやすい環境を作りたい」と説明する。

 本来ならお茶当番や応援などは保護者が自主的に参加するものだ。だが、共働き世帯が増えたことで母親の当番が回りにくくなった。一部の保護者の負担が過重になるのを避けるため、「全員強制参加」となるケースも少なくない。特定の保護者だけが指導者と懇意になるのを防ぐ側面もあるようだ。島根県のあるスポーツ少年団の保護者会長は「伝統的に続けてきたこともあり、当番制の仕事は急にやめづらい面もある」と明かす。

 親は子供の野球に一定時間張り付くうち、保護者会の活動に熱くなりがちだ。親が当番に協力できないと、子供が入部しにくい現実もある。安達会長は「保護者会はグラウンドとの距離感を大事にしている。親が入れ込み過ぎないようにしている」と強調する。高校野球の将来を描く上で、チームと保護者との関わり方が問われている。【浅妻博之】=第6部終わり

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