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高校野球

豪雨で自宅被害、両親に背中押され挑む 岡山

バットに思いを込める井元将也選手=岡山県浅口市で2018年7月11日、益川量平撮影
泥だらけになったグラブを雑巾で拭く井元主将の父雅之さん(手前)と、母みゆきさん=岡山県倉敷市真備町辻田で2018年7月11日、益川量平撮影
豪雨災害の犠牲者に黙とうする選手ら=岡山県倉敷市のマスカットスタジアムで2018年7月13日午前10時20分、佐藤裕太撮影

 西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県で13日、第100回全国高校野球選手権記念岡山大会が開幕した。開会式は同県倉敷市のマスカットスタジアムで行われ、選手や関係者は、災害の犠牲者に黙とうをささげた。

 昨夏と今春に続く甲子園出場を目指すおかやま山陽高校(岡山県浅口市)野球部の井元将也(しょうや)主将(3年)は、西日本豪雨により同県倉敷市真備町地区の自宅が濁流にのみ込まれた。「野球をしていいのか」。迷いはあったが、両親に背中を押され、最後の夏に挑む。

 「わや(むちゃくちゃ)じゃ」。9日、被災後初めて自宅に入った井元主将は言葉を失った。父親と初めてキャッチボールしたグラブ、甲子園出場記念のメダルが入った箱、高校まで毎日走った自転車--。全てが砂まみれだった。悔しくてがれきをかき分けると、ふやけた写真が出てきた。笑顔の家族が写っていた。

 真備町地区で生まれ育った。両親と弟、妹の5人暮らし。昨夏は2年生で4番を任され、おかやま山陽を甲子園初出場に導いた。今春のセンバツにも出場し、本塁打を放った。だが、チームはいずれも初戦で敗れた。「次こそ甲子園での勝利を」と練習に打ち込んできた。

 自宅を洪水が襲ったのは7日だった。家族は無事だったが、野球への気持ちが揺らいだ。そんな息子の心情を察した母みゆきさん(43)が声を掛けた。「片付けはいつでもできる。今すべきなのは、ずっと頑張ってきた野球じゃない」。その言葉に気持ちが固まった。

 一家は現在、県内の親戚宅で避難生活を送る。みゆきさんが弁当をこしらえ、父雅之さん(47)がグラウンドまで送迎する。口を開けば冗談で和ませてくれる両親に「一番悲しいはずなのに」と感謝の気持ちが湧いてくる。近所の住民も「(井元主将は)練習に行けているのか」と雅之さんに声を掛けるなど、気に掛けてくれるという。

 開会式では、前年の優勝校として優勝旗を返還した。「真備の代表として一生懸命プレーしたい」。そんな決意を胸に、14日の初戦に臨む。【益川量平、佐藤裕太】

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