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星槎(せいさ)国際八王子(東京)の小沼慶多監督(31)は元々、高校の硬式野球部の指導者だった。神奈川大3年生の時から地元の向上(神奈川)で、ブランクを挟みながらコーチを通算7年間務めた。
その間、退部する選手を何人も見てきた。ある時、彼らが星槎国際湘南(同)で野球を続けているのを知った。指導をしていく中で選手に「やめてしまえ」と口にしたことがあり、そのことを後悔していたうえ、「やめた選手が行く学校はどんな所なのか」という興味もあった。転職を決意し、昨年春から星槎国際八王子の教員になった。
そこで感じたのは、人は変われるということだという。中学時代に不登校で人前で話せなかった選手が野球を通じてどんどん明るくなり、学校のイベントで富士山に登頂した。小沼監督は「出会った時と印象が180度変わった」と驚く。生徒が自分のペースで登校し、野球も勉強も伸び伸びできる通信制の良さを感じた。
最近は選手が参加できる地域の草野球チームを探している。進学先の専門学校や就職先の企業を辞める同校OBがおり、「卒業後も彼らのよりどころを作ってあげたい」と考えている。【安田光高】