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センバツ21世紀枠

候補校紹介/9止 熊本西(九州・熊本) 班編成、全員で部運営

天気情報を確認しながら屋内トレーニングの日程を相談する選手たち

 <第91回選抜高校野球大会>

     横手文彦監督(42)のスマートフォンで気象庁のアプリを見ながら、選手たちが話し合う。「この日は雨が降りそう。屋内トレーニングにしよう」。日程表の前で「天気掌握班」が「トレーニング推進班」に声を掛けた。

     熊本西では部内に「部室管理班」や「活気向上班」など11班が編成され、44人全員で部を運営する。学校のグラウンドは他部と共用のため約80メートル四方しか使えない日が多く、照明設備もない。恵まれない環境なのに、部長を経て2016年8月に就任した横手監督は当時、選手たちの練習がどこか「人任せ」のように感じられた。部員に主体性を持たせようと班編成を導入したところ、今では選手自ら動くようになった。

     32枚の防球ネットの補修は「ネット管理班」が担っていたが、追いつかないため、班が提案して各部員に担当ネットを割り振った。「天気掌握班」の浜口智紀(2年)は班編成により「野球でも周りが見えるようになった」と明かす。「時間管理班」の3番・エースの霜上幸太郎主将(同)は「プレーにすきがなくなった」と胸を張る。「気付く力が高まり、粘り、逆転、集中打につながった」と横手監督。チームは昨秋の熊本大会準決勝の熊本工戦で二回に4得点して逆転し、6-5で粘り勝って九州大会初進出を決めた。

     選手たちは中学時代の16年4月に熊本地震に遭い、大半が避難生活を送り、生活用水の運搬などを経験した。「野球普及・地域活性化班」を中心に地域清掃活動をしているが、横手監督はその積極的な姿勢に「奉仕の心がある」と感じている。

     現在、練習はバックネット裏の花に手を合わせてから始まる。昨年11月、2年生選手が練習試合で頭部付近に死球を受けて亡くなった。チームは動揺し、カウンセリングを受ける選手もいた。ミーティングを重ねて「21世紀枠候補校として覚悟を持って前進していこう」と確認し合った。横手監督は「亡くなった仲間を含めて45人で臨む」とチームの思いを代弁し、吉報を待っている。【吉見裕都】=おわり

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