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春に挑む・国士舘センバツへ

/中 国士舘 弱さに向き合い克服 「史上最低」のチーム、評価見返す /東京

練習メニューを確認する国士舘の野球部員たち。「大きな声出していこう」と松室直樹主将の言葉が飛んだ=東京都多摩市の練習グラウンドで川村咲平撮影

 <第91回選抜高校野球>

     「早く引退した方がいい」「史上最低のチーム」。新チームが発足した昨夏、不真面目な練習態度が目に余った2年生に、永田昌弘監督(61)の厳しい言葉が飛んだ。

     3年生が主体だったそれまでのチームは、3人の左投手を軸に高い実力を備えていた。だが、昨夏の西東京大会は準決勝で敗退。3年生が引退した後の新チームは、レギュラー入りしていた選手が1人だけという状態からの船出となった。

     先輩たちが逃した甲子園に、自分たちが行けるのか--。自信のなさが不安となってチームを覆い、主将さえ決まらなかった。

     「試合に勝つ自信がなく、夏場の練習は『暑い』とだらけていた。監督の呼びかけに返事すらしないこともあった」。松室直樹主将(2年)は振り返る。

     そんな部員を永田監督は突き放した。「自分たちで話し合ってみろ」。上級生としてチームを引っ張る自覚を持たせたかった。

     練習後、2年生はミーティングをするようになり、松室主将は「このままでは野球がつまらない。自分がチームを変えて、弱いという評価を見返したい」と、空席だった主将に手を挙げた。

     「自分たちは何がだめなのか」「全員が同じ方向を向くために何をすべきか」「なぜ野球部に入ったのか」「上達して試合に勝てるようになれば、もっと野球が楽しくなるはずだ」

     ウオーミングアップから声を掛け合う。怠慢なプレーは注意し合う。練習に取り組む姿勢に変化が生まれた。監督にただされたプレーを克服しようと、個人練習を繰り返す部員も出てきた。「もともと力がある」と永田監督が見ていた打撃陣に加え、配球を工夫し始めた投手陣も力をつけてきた。徐々に強豪校と渡り合えるようになった。

     そして迎えた秋季東京大会。当初の目標は「予選ブロック突破」だったというが、蓋(ふた)を開けてみれば、難なく予選ブロックを勝ち上がり、本大会3回戦で強豪・関東一に5-1の快勝。「自分たちも戦える」。自信をつけた選手たちは、勢いに乗って頂点に上り詰めた。

     投手陣は全8試合を3失点以内に抑える力投。野手の打率は、ほぼ全員が3割を超えた。先発の柱として活躍した白須仁久(のりひさ)投手(2年)は「『弱い』と言われていたチーム。自分たちでも驚くほどでした」と率直に語る。

     「個々の能力は先輩に劣るかもしれない。だけど、チームワークは負けない。足りないところは全員でカバーする」。甲子園切符を手中にした今、松室主将ら選手の目標は「勝利をつかむ」ことだ。【川村咲平】

    〔都内版〕

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