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実りの春

石岡一センバツ初出場 第1部・夢舞台への道のり/下 目標「可視化」し練習 学年超えて意見し合う /茨城

 <第91回選抜高校野球>

     「もっとネットをこっちに寄せなきゃ駄目だぞ」。練習中のグラウンドで、川井政平監督(44)が選手と一緒になってフリー打撃のための防球ネットを設置していた。監督が率先して本塁上に白線を引き、練習後のストレッチ体操では選手の輪に加わり補助もする。「選手一人一人と1日に1回は会話するように心がけている」と川井監督。国語科教諭らしく、言葉を重視した指導が持ち味だ。

     川井監督は石岡市出身。波崎柳川の監督だった2005年の夏の茨城大会ではチームを準優勝に導いた。09年に石岡一に赴任すると、16年から2年連続で春季関東大会に出場。近年、私立勢の活躍が著しい県内で着実に実績を積み上げ、指導者として一目置かれてきた。

     「短所を直すより長所を伸ばす」が川井監督のモットー。その一環として、練習では選手個々の「目標の可視化」に取り組んでいる。練習前、選手は学年別に用意されたノートに、その日の練習に向け「ボールの回転を良くする」「しっかり強くふる」といった個々の目標を書く。個別ノートでないのは、チームメートの目標も読めるようにすることで何を課題や目標にしているのか、周囲に分かってもらう狙いからだという。

     また、ベンチにはチームの目標「無四球 失策 0運動」と書かれた紙が貼られている。昨秋の県大会準決勝で守りのミスが敗因の一つになったことから、守備の強化につなげるためだ。これらの取り組みについて、干場聖斗一塁手(1年)は「課題や目標が常に見えるところにあると、いつでもしっかり思い出せる」と効果を口にする。

     個々の課題や目標を明確に意識している選手たちは、練習中から学年に関係なくアドバイスを送り合う。昨秋の県大会で1年生ながら打線の中軸を担った滑川孝之介遊撃手は「普段から先輩や後輩に関係なく、意見を言い合えるチーム。試合中でもベンチやグラウンドでみんなの声が飛び交う」と、チームの風通しの良さを実感している。

     「指導者に何を言われたら心が動き、やる気になるかを意識して会話している」と川井監督。チーム内の円滑なコミュニケーションも力に、控え選手も含めた部員全員が一丸となってセンバツに挑む。【川崎健】

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