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春はばたく

第91回センバツ注目校/2 国士舘(東京) 新たな伝統へ目覚め

選手を指導する国士舘の永田昌弘監督=藤井達也撮影

 <第91回選抜高校野球>

     突出した選手はいないが、昨秋はすべて継投で勝利し、10年ぶりに東京を制した。永田昌弘監督(61)は言う。「分業制が進んだ大学野球を経験し、思い切った継投策ができるようになった」

     1983年に25歳で監督に就任。初出場の91年、93年に4強入りした春は7回、夏1回の甲子園に導いて「春の国士舘」を築き上げ、2006年に国士舘大の監督に転任した。だが、チームはその後、09年春を最後に甲子園から遠ざかり、16年秋に再建を託された。

     10年間で部は様変わりしていた。以前は1学年15人程度の「少数精鋭」だった部員数が大きく膨れ上がり、効率よく練習する工夫を強いられた。加えて、永田監督は「選手の態度からは、本気で甲子園を目指していると感じられなかった」。

     昨夏の新チーム発足直後も、練習中の不真面目な態度が目立った。主将の松室直樹(2年)は「試合経験がある選手がほとんどいなくて、『頑張っても無駄かな』という雰囲気が漂っていた」と明かす。しびれを切らした永田監督は「早く引退した方がいい」と言い残すと、2年生の練習から姿を消した。

     2週間ほど別のグラウンドで1年生に基礎を教え込んでいると、連日ミーティングを重ねた2年生が練習に戻るように懇願してきた。「何のために野球部に入ったかを、全員で見つめ直した」と松室。突き放されたことで、ようやく選手が本気になり、目前の1勝に向けて一丸となった。

     永田監督は「甲子園から遠ざかり、強豪の伝統のようなものが薄れていた」と振り返り、こう力を込める。「部の歴史を作った自負がある。また常時甲子園に出られる野球部にしたい」。10年ぶりのセンバツは、復活の序章だ。【平本泰章】=つづく

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