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第91回選抜高校野球

春日部共栄2年・渡部泰伍捕手 投手陣支える ブルペンで学んで教え /埼玉

ブルペンでエースの村田賢一投手(右)と投球について意見を交わす渡部泰伍捕手=春日部市の春日部共栄高校で、畠山嵩撮影

 <第91回センバツ>

     第91回選抜高校野球大会(3月23日開幕)に出場する春日部共栄には、投手陣を陰で支える控え捕手がいる。渡部泰伍捕手(2年)だ。同校に憧れて故郷の福島から一般入試で入学した。正捕手の座はつかめていないが「チームに貢献できることは何でもやる」と、ブルペンで投手陣の球を受け続ける。

     キャッチャーミットをはめる左手の親指と人さし指が、赤く腫れ上がっている。「親指はキャッチングを失敗して何度も突き指しました」。少しはにかみながらも、苦しい表情は見せない。

     ほぼ毎日、ブルペンに座る。エースの村田賢一投手(同)を含め、多いときには投手7人ほど、球数にして数百球を受ける。体力的にはきつい。それでも「『受けてくれ』と言われたら必ず受ける」と話す。

     福島県下郷町の出身。小学3年から野球を始め、中学では軟式野球部に入った。「投手を自分の思い通りにリードできるし、打者の裏をかくのが面白い」。ポジションはずっと捕手だった。

     2014年の夏の甲子園。「こんなに明るくのびのびと野球をやるチームがあったんだ」。テレビに映る春日部共栄ナインにくぎ付けになった。失点した時に仲間たちに明るく声をかける捕手の姿が心に残った。

     「自分もあんな捕手になりたい」。憧れの春日部共栄への進学を決意し、学習塾を営む両親から勉強を教わりながら入試に挑んだ。

     迷わず硬式野球部の門をたたいたが、テレビで見た印象と練習とは違っていた。先輩たちの雰囲気はピリピリし、練習に集中していた。公式戦でこそテレビで見た明るさがあったが、甲子園出場経験のある強豪校の厳しさを肌で実感した。

     1年生の時、前チームのエースだった内藤竜也投手(3年)からキャッチングの良さを見込まれた。試合前、「ブルペンキャッチャーやるぞ」と指名してもらった喜びは今でも忘れられない。

     エースの球を受け続ける中で、変化球の切れなどを学んだ。新チームになり、2番手として期待されている小森結投手(2年)の球を受ける機会が多くなった。経験を元に球威や回転などについてアドバイスし、投手として力を伸ばそうと尽力している。

     1月25日、センバツ出場が決まった。「テレビで見たあの甲子園の舞台を踏みたい」という気持ちは当然ある。しかし、「チームが優勝という形で終われれば最高。そのためにも最後まで野球をやり抜き、チームに貢献する」という思いが勝る。

     「時間が空いていれば、いつでも球は受ける」。その信念を胸に、センバツ開幕までミットを構えるつもりだ。【畠山嵩】

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