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常笑高商

監督の目指すもの/1 「考える野球」掲げる 自主性重んじ育む /香川

練習メニューについて話し合う、高松商の(右から)飛倉爽汰主将と浅野怜、香川卓摩両副主将=高松市松島町1の同校で、潟見雄大撮影

 <第91回選抜高校野球 センバツ>

     「今日は久しぶりの実戦練習。試合のつもりで一球一球集中していこう」。練習前、飛倉爽汰主将(2年)が仲間に呼びかける。昨年7月に新チームが始動してから恒例となった毎日の選手間ミーティング。長尾健司監督は指導者が指示を与えるのではなく、選手自らが「考える野球」を掲げる。

     長尾監督は順天堂大を卒業後、県内で中学校の教師として野球部などを指導した。「昔の僕は怖かったですよ」。まだ野球の基礎が分かっていない中学生に教えるには、自分が先頭に立って厳しくするべきだと考えていた。2000年から6年間在籍した丸亀市立飯山中では、県大会で4回優勝し、全国大会へも出場した。

     だが、06年から赴任した香川大付属坂出中で、考えは180度変わる。当時、同校では生徒が主体的に学ぶ「アクティブラーニング」を取り入れていた。「数学が嫌いだった生徒がどんどん意欲的になり、伸びていった。野球も選手が自主性を持つことが大事なのではないかと気づいた」

     頭ごなしに怒るのではなく「どうして今のプレーをしたのか」「なぜ今走らなかったのか」などと問いかけ、選手自身で答えを出せるよう導いた。意図を考えてプレーすることで、選手同士で指摘し合えるようにもなった。当時弱小といわれた野球部は就任3年目の県大会で初優勝した。

     選手主体の考えを、14年から人事交流で赴任した高松商でも貫く。「練習から考えることで試合でも状況判断ができるようになった」。元々実力のある選手が集まっていた高松商。就任2年目でセンバツへ出場し、準優勝を果たした。

     浅野怜選手(2年)は長尾監督の指導法について、今まで抱いていた高校野球のイメージと異なり戸惑ったという。中学時代は監督の指示に従っていたが、高松商では自分たちで考えなければ練習が進まない。「最初は何をすればいいか分からなかったけれど、毎日考えるうちに必要な練習が自分で把握できるようになった」と手応えを感じている。岡井祐斗選手(同)は自主性を重んじる長尾監督の指導方針にひかれ高松商へ入学を決めたといい、「自分で考えて練習する方が課題を克服しやすい。目的をもってやると、練習の質も上がる」と話す。

     「やらされる練習は宿題の答えを丸写ししているのと同じ。自分で考えて問題を解くからこそ力になる」。長尾監督は考えることの大切さを説く。=つづく

         ◇

     長尾監督の就任から2年でセンバツ準優勝を成し遂げた高松商。その快挙から3年。新たなチームが大舞台での勝利に挑む。選手の実力を伸ばす指導方法などを紹介する。(この連載は潟見雄大が担当します)

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    8月17日の試合

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