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一味同心

19センバツ星稜 第4部・「伝統」をまとう/番外編 光るネオクラシック 大岩Larry正志さんに聞く /石川

大岩Larry正志さん=大岩さん提供

 <第91回選抜高校野球>

    半世紀、甲子園で物語 デザイナー・大岩Larry正志さんに聞く

     高校野球ファンにはおなじみになった星稜のユニホーム。プロ野球ヤクルト、楽天のユニホームデザインを手がける大岩Larry正志さん(43)に、プロの視点から魅力を語ってもらった。

    今春のセンバツ出場を決め、喜ぶ星稜の選手。大岩Larry正志さんがネオクラシックと評するユニホームをまとい、本大会も笑顔を重ねたい=金沢市で2019年1月25日、岩壁峻撮影

     クリームイエローの色合いは、プロ野球でも親しまれてきた。「レトロな感じがしていい」と大岩さん。このデザインになってから50年近くになるが、「時代が1周すると、それが新鮮に見える」ともいう。古くからのデザインを現代風に落とし込む「ネオクラシック」の潮流は米メジャーリーグで浸透しているといい、星稜のユニホームは図らずも先端を行く形だ。

    大岩Larry正志さんがデザインを手がけたユニホーム姿のヤクルトの選手たち=東京・神宮球場で2018年10月、梅村直承撮影

     帽子やストッキングに配される青はどうか。「クリームイエローってどんな色にでも合うんです。青はスポーツに適した色とも言えるので、なおさらですね」

     大岩さんの評価がさらに高いのが、山下智茂名誉監督考案の「☆」をあしらった帽子だ。「高校野球だと、プロのユニホームのようにポップさを入れてしまうと『けしからん』と言われるかもしれない。帽子のマークで遊ぶというのは一つの(有効な)考え方。僕も立場上、デザイン性を加えたいですし」。主張しすぎないほどの個性だからこそ、創意工夫が光る。

     1972年に現行のデザインになってから76年夏の4強入り、79年夏の延長十八回の死闘、92年夏の松井秀喜さんへの5打席連続敬遠、そして95年夏の準優勝--と甲子園で多くの物語を紡いできた。大岩さんは「長年デザインが変わらないから(見る人に)学校へのイメージが植え付けられていく」と力説する。「歴史や、残してきた結果がユニホームをよく見せる。プロと違い、強豪校はデザインも変わらないので、チームを語るには重要な要素になる」とも。母校の平安(現龍谷大平安=京都)にもそれは当てはまる。

     自身が高校野球のユニホーム製作に関わるとしたら? 「今後何十年も使われるかもしれないもの。時間が経過しても古くならないデザイン……そうすると、シンプルということになりますね」。星稜や母校が理想としてまず思い浮かぶ。

     今年のセンバツで星稜は23日の開幕日(対履正社)、龍谷大平安は25日の第3日(対津田学園)に登場する。「星稜だけを応援することはできないけど」と大岩さんは苦笑しつつ、勝負着をまとった選手たちが生みだす新たなドラマに期待している。【岩壁峻】=おわり=


     ■人物略歴

    おおいわ・らりー・まさし

     1975年9月生まれ。滋賀県出身、武蔵野美術大卒。「野球とデザイン」を専門に20代後半から自主製作ユニホームの個展を開き、2008年のプロ野球西武の交流戦ユニホームを皮切りに、現在はヤクルト、楽天を担当している。近年ではラグビーの世界最高峰リーグ・スーパーラグビーの日本チーム「サンウルブズ」のユニホームデザインも手がけるなど、スポーツ全般に活動範囲を広げている。

    毎日新聞のアカウント

    4月3日の試合

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