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一味同心

19センバツ星稜 第5部・「伝説」からのメッセージ/上 松井秀喜さん 注目気にせず活躍を /石川

松井秀喜さんが星稜の新3年で迎えた1992年センバツ。宮古との1回戦の三回に放った中越え3ランを皮切りに、この大会3本塁打をマークした=阪神甲子園球場で同年3月27日

 <第91回選抜高校野球>

    「心の隙」快進撃も不完全燃焼 松井秀喜さん(44)1990~92年度在籍

     第91回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)の開幕まで、あと2日に迫った。初戦に臨む星稜の選手たちに、かつて甲子園で鮮烈な印象を残した2人の先輩がエールを贈った。2回に分けて紹介する。

         ◇

     希代のスラッガーが日本中に才能を見せつけたのは、1992年のセンバツだった。

     「打つ方では活躍できました」

     当時、星稜の新3年生で主将だった松井秀喜さん(44)=元巨人、ヤンキースなど=は毎日新聞にメッセージを寄せ、あの春をそう述懐した。

     92年センバツは、本塁打を増やすために外野フェンス内側に柵を設けた「ラッキーゾーン」の撤去後、最初の大会。ただ、宮古(岩手)との開幕試合に登場した松井さんはお構いなしに甲子園に特大のアーチをかけた。

     三回にバックスクリーン右へ3ランを放つと、五回には右中間の最深部にまたも3ラン。この試合4打数4安打7打点と爆発すると、堀越(東京)との2回戦でも一発。大会本塁打数は前年の18本から7本に激減した一方、松井さんがマークした1大会3本塁打は史上6人目の快挙だった。チームもセンバツでは初めて8強入りを果たした。

     準々決勝の天理(奈良)戦では、快進撃が暗転する。「やはり、どこか心の隙(すき)があった気がする。自分にも、チームにも。好事魔多し、でした」。1-1と同点に追いつかれた八回裏1死二、三塁。ゴロを処理しようとした三塁手の松井さんは本塁への送球を焦り、球をはじいてしまった。

     「気がついたら、目の前からボールが消えていた」。当時の松井さんのコメントだ。逆転を許し、チームは1-5で敗退した。27年たった今も、松井さんは「不完全燃焼の負け方だった」と語る。一方で、「『また夏に絶対戻ってきたい』という気持ちになれた」とも。活躍が高校野球界に与えた衝撃は強く、5打席連続敬遠という甲子園史上有数の「事件」が起きたのは、それから4カ月後のことである。

         ◇

     大会屈指の右腕、奥川恭伸投手(2年)を擁する今年のチームは、「松井秀喜以来の注目度」と形容されることが多い。松井さんは後輩たちに「注目されている、されていないに関係なく、甲子園は自分たちの力を全国の野球ファンに発表できる最高の場所。普段の練習で培ってきたものを出してほしい」と声をかける。

     松井さんが何より忘れてほしくないのは、星稜野球部の信念だという。「母校の活躍はもちろんうれしいけど、野球部のモットーは『野球を通じての人間形成』です」。選手たちが心身ともに成熟することを常に願っている。【岩壁峻】

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