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第91回選抜高校野球

市和歌山3-2呉 市和歌山、潮目ピタリ

【呉-市和歌山】十一回裏市和歌山2死二塁、片上がサヨナラ中前打を放つ=玉城達郎撮影

 <2019 第91回センバツ高校野球>

    第1日(23日・阪神甲子園球場)

     市和歌山が延長十一回サヨナラ勝ちで、粘る呉を振り切った。同点の十一回に敵失絡みで2死二塁とし、片上が中前適時打を放った。先発・岩本は制球が良くて緩急も巧みで、2安打に抑えて2失点完投。呉は九回1死後に沼田歩の右中間三塁打と真田の捕前スクイズ(記録は犠打野選)で追いついたが、先発・沼田仁が力尽きた。

    サヨナラ打、体が反応

     左打席に向かう市和歌山8番・片上は頭の中をすっきりさせていた。同点の延長十一回2死二塁の好機に「絶対にここで決める」と闘志を燃やしながらも、冷静に肩の力を抜いていた。

     相手エース右腕・沼田仁の直球を狙っていたが、2球目のど真ん中のスライダーに体が反応し、中前へはじき返した。「完璧でしたね」と自賛する一打で熱戦に終止符を打ち、仲間にもみくちゃにされて破顔した。

     今大会直前の練習試合2試合で無安打に終わり、この日もそれまで4打席凡退と不調。九回の第4打席後に見かねた半田監督から「バットを短く持て」とアドバイスを受けた。力みから無意識に左肩が下がっていたことに気づき、「自分の持ち味は逆方向への打球」と思い出した。勝負どころで本来の打撃を取り戻し、代打を出さなかった半田監督の期待にも応えた。

     チームとして14年ぶりの初戦突破。選手の間で「(同じ和歌山県から出場の)智弁和歌山より先にやろう」と誓い合った、県勢の大会通算100勝も果たした。「自分たちの力で歴史を作れた。次も続けたい」と誓った片上。市和歌山商時代の第37回大会(1965年)に準優勝した実績もある公立校が、2009年の校名変更後初めて挙げたセンバツ勝利だった。【生野貴紀】

    2年生投手、沈着変幻

    市和歌山の先発・岩本=猪飼健史撮影

     ○…市和歌山の2年生左腕・岩本は冷静さが光った。球速130キロ前後ながら伸びのある直球とスライダーに加え、緩いカーブも織り交ぜて打たせて取った。七回2死二塁から初安打となる右前適時打を浴びたが、「こういうものかな」と慌てず、九回に追いつかれた時も「裏(の攻撃)があるから大丈夫」と落ち着いて後続を断った。昨秋は登板した6試合全て完投し、134球を投げ切ったこの日も「肉体的な疲れはない」と言い切った。

    瞬時の決断、普段の成果 沼田歩中堅手 呉・3年

    九回表呉1死三塁、真田のスクイズで沼田歩が生還(捕手・米田)=山田尚弘撮影

     巧みな本塁突入だった。1点を追う九回1死後、右中間三塁打を放つと、次打者の2球目にスクイズのサインでスタート。打球が捕手の前に転がったのが見えたが、「危険でも行くしかない」と決断。スピードを緩め、捕手の動きを見定めてタッチをかわし、倒れ込みながら右手で本塁に触れた。「タッチされていない自信があった」。だからこそ、球審の「セーフ」のコールにも表情を変えなかった。

     普段の練習が生きた。内野手が一、三塁などの場面を想定してサインプレーの練習をする際、いつも走者役を務めた。「自分の走塁練習でもある。クロスプレーでの駆け引きも、いつも考えていた」。無我夢中の場面で、その成果を出した。

     ただし、4番打者としてチームを勝利に導くことはできなかった。「打撃では全くタイミングを取れなかった。いい経験にはなったけど、成長は見られなかった」。試合後は涙とともに、後悔の言葉ばかりがあふれた。【平本泰章】


     ○…1回戦…○

     △午前10時半開始(観衆3万4000人)

    呉(広島)

      00000010100=2

      10001000001=3

    市和歌山(和歌山)(延長十一回)

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