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第91回選抜高校野球

盛岡大付、激闘制す 九回同点、延長サヨナラ /岩手

【石岡一-盛岡大付】九回裏盛岡大付無死、佐々木が右前打を放つ=阪神甲子園球場で、玉城達郎撮影
延長十一回裏にサヨナラ勝ちし、喜ぶ盛岡大付の生徒たち=阪神甲子園球場で、田畠広景撮影

 <第91回センバツ高校野球>

     第91回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第3日の25日、盛岡大付は1回戦で21世紀枠で初出場した石岡一(茨城)を3-2で降した。2年ぶりの大舞台は、先制を許し追う苦しい展開だった。しかし九回2死から同点に追いつき、延長十一回サヨナラ勝ちで劇的な幕切れとなった。2回戦は29日の大会第7日第2試合(午前11時半開始予定)で、龍谷大平安(京都)と対戦する。【日向米華、田畠広景】

     2-2で迎えた延長十一回裏。四球や相手の失策で、1死満塁になった。「お願い!」。一塁側アルプススタンドで見守っていた観客は祈るように打球の行方を見守った。島上真綾捕手(3年)の投ゴロが悪送球を誘い、三塁から平賀佑東左翼手(同)が本塁に滑り込んだ。サヨナラ勝ちの瞬間、スタンドに歓喜の輪が広がり、選手の健闘をたたえる大きな拍手が湧き起こった。

     盛岡大付は序盤から流れをつかむことができなかった。三回表、四球で石岡一の先頭打者の出塁を許すと、暴投や失策が絡み1点を献上した。阿部秀俊投手(3年)は低めを丁寧に突く打たせて取る粘りの投球を見せ、打線の援護を待った。

     四回裏、平賀左翼手が左前にチーム初となる安打を放つ。五回には小川健成中堅手(3年)が右前二塁打を放ち、石岡一の右腕、岩本大地投手(3年)の速球に、タイミングが徐々に合ってきた。平賀左翼手の父正彦さん(56)は「ここから逆転を狙ってほしい」とメガホンを握る手に力を込めた。しかし九回表には石岡一に2死から連打を許し2点差に広げられた。

     土壇場の九回裏、選手たちが粘り強さを見せた。先頭の佐々木俊輔二塁手(3年)が右前打で出塁すると、小野寺颯斗三塁手(同)が右前二塁打を放ち、2死二、三塁の好機を作り出す。小野寺三塁手の母久美子さん(45)は「何とか流れを変えてほしいと思っていた。夢の舞台でうれしい」。続く小川中堅手の2点右前適時打でついに同点に追いつく。小川中堅手の父未知さん(43)も「一打出ることを願っていた。甲子園で活躍を見せてくれた息子には感謝している」と喜びをかみしめた。

     延長十一回の激闘を制した盛岡大付。手に汗握る試合を祈る気持ちで見守ったマネジャーの中屋敷彩音さん(3年)は「最後まで諦めない気持ちが同点、そして勝ちへとつながった。みんなの気持ちのおかげ」と笑顔がはじけた。【日向米華】

    盛岡大付の応援団長として声を響かせた後藤さん(手前)=阪神甲子園球場で、田畠広景撮影

    美声で活躍後押し

     ○…「一球入魂 魂込めて とーばーせーよ とーばーせー」(宇宙戦艦ヤマトの曲調で)。大観衆で埋め尽くされた甲子園球場のスタンドに美声が響いた。声の主は野球部員で応援団長の後藤真澄さん(2年)。名前の通り澄んだ声は、昨秋の東北大会で相手チームから拍手が送られたほどだ。岡田光輝選手(3年)も「あの声を聞くと気持ちが楽になる」と褒めたたえる。後藤さんは「広い球場に声を響かせ、選手の活躍を後押ししたい」と額に汗して熱唱した。

    保護者が千羽鶴

     ○…野球部の保護者会は思いを込めて折った千羽鶴を飾り、大舞台で奮闘する選手たちの勝利を願った。昨年11月に関東や関西など在住の保護者に折り紙を送り、12月に集まった折り鶴を県内の保護者が一つ一つつなげていった。1家族40羽折ってもらい、出来上がった折り鶴は約3200羽となった。スタンドから初戦を見守った峰圭哉選手(3年)の母美由樹さん(43)は「みんなで打線をつなげて点を取ってほしい」と気持ちを込めた。


    【石岡一-盛岡大付】九回に二塁打を放ち、塁上で拳を突き上げる盛岡大付の小野寺=阪神甲子園球場で、玉城達郎撮影

    直球狙い振り抜く 小野寺颯斗(はやと)三塁手(3年)

     0-2で迎えた九回裏2死一塁の土壇場。「ここを逃したらだめだ」。狙っていた直球を思いっきり引っ張り打球は右前へ。二塁まで駆け抜け、一塁側アルプススタンドに向かってガッツポーズを決めた。続く小川健成中堅手(3年)の2点右前適時打につなげた。

     昨年8月、関東遠征中に左膝半月板を損傷。手術で3週間入院し、医者からは「今年は野球をできないかもしれない」と言われた。寝たきり生活で筋力も体重も落ちたが、ストレッチなど上半身のトレーニングは欠かさなかった。全体練習に参加できるようになったのは10月上旬。秋の盛岡地区大会と県大会には出られなかったが、「ベンチに入れない人の気持ちが分かった」とプレーできることに感謝するようになった。

     緊張し過ぎで気分がすぐれなかったが、甲子園球場に向かうバスでは、仲間としゃべり続けた。緊張をほぐすための自分なりの方法だ。最後部の席で一緒だった小川中堅手と「俺らが打つんだ」と励まし合った。

     この日の打順は5番。「いつもの4番よりチャンスがまわって来る。ここぞという時に打ててよかった」。緊張はすっかり解け、晴れ晴れした表情に変わった。【日向米華】


     ▽1回戦

    石岡一

      00100000100=2

      00000000201=3

    盛岡大付

     (延長十一回)

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    4月3日の試合

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