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「亡き友よ 次は甲子園の優勝メダル届けるよ」筑陽学園・西舘投手

【福知山成美-筑陽学園】ベンチ前で笑顔を見せる筑陽学園の西舘昂汰投手=阪神甲子園球場で2019年3月26日、徳野仁子撮影

第91回選抜高校野球 ○筑陽学園3-2福知山成美●(26日・甲子園)

 26日の第1試合で福知山成美(京都)を破った筑陽学園(福岡)の西舘昂汰投手(3年)は、昨秋の九州大会で勝ち取った優勝メダルを亡き友の家に預けている。「次は甲子園の優勝メダルを届けに行く」。センバツ初出場の原動力になった控えの右腕は、決意を胸に大舞台に臨んだ。

 西舘投手は中学1年の時、地元の野球チーム「二日市ボーイズ」に入団。別の学校に通う同学年の宮原優路(ゆうろ)さんと出会った。ともにおっとりした性格。すぐに仲良くなり、一緒によく遊びに行き、宮原さんがファンだったプロ野球・阪神タイガースなどの話で盛り上がった。

 高校も違ったが、無料通信アプリ「LINE(ライン)」で連絡を取り合っていた。ところが昨年4月、宮原さんに胃がんが見つかった。既に「ステージ4」。2カ月後に息を引き取った。通夜にかつてのチームメートが顔をそろえ、「優路を甲子園に連れて行こう」と誓い合った。

 西舘投手は昨秋の公式戦9試合に登板し、防御率0・88。九州大会初優勝の立役者となり、センバツをたぐり寄せた。「優路のおかげもあるのかな」。自分の実力以上のものが出せたように感じた。

 大会後、福岡県太宰府市の宮原さん宅を訪れ、仏壇に優勝メダルを供えた。「プレゼントです」。宮原さんの母恵美子さん(51)は「こんな大切なものを受け取れない」と遠慮したが、西舘投手は「甲子園のメダルを取れるように頑張ります」と譲らなかった。

 親友の母から、遺影や二日市ボーイズ卒団時の記念のグラブ入れなどを借りて、甲子園入りした。「優路に同じ景色を見せてくれてありがとう。マウンドで空を見たら優路が笑いようけん」。恵美子さんは感謝を口にした。

 この日登板の機会は訪れなかったが、西舘投手はベンチ前で肩を温め、気持ちを高めた。エースの好投を見つめ、自分に言い聞かせた。「負けていられない」。約束を果たすため、次戦を見据える。【宗岡敬介】

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