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第91回選抜高校野球

明石商7-1国士舘 明石商、粘りに粘り

【国士舘-明石商】141球を投げ抜いて完投した明石商の中森=阪神甲子園球場で2019年3月27日、徳野仁子撮影

 <2019 第91回センバツ高校野球>

    第5日(27日・阪神甲子園球場)

     明石商の投打がかみ合った。右腕・中森は9安打を許しながらも要所を締め、10三振を奪い、1失点完投した。攻撃は二回2死満塁から中森の押し出し四球と来田の右前打で3点を先取。終盤には相手のミスや四死球を生かし、突き放した。国士舘は3投手で計11与四死球と制球に苦しみ、打線もつながらず、10残塁と拙攻だった。

    命綱は外角、141球完投

     9安打を浴び、明石商の狭間監督は「2、3失点してもおかしくなかった」と振り返る。それでも、粘り強く1失点にまとめて完投した背中に、2年生右腕・中森の成長の跡が詰まっている。

     一回は先頭への初球に自己最速の146キロをマークするなど力で押して3者凡退に抑えたが、その後は七回まで毎回安打を許した。ただ「要所ではきっちり低めに集められた」と捕手の水上。右打者はスライダー、左打者にはチェンジアップと外角に逃げる球を有効に使い、連打は失点した四回だけだった。

     2日前に先発を告げられた際、狭間監督から「九回までペース配分を考えて投げろ」とテーマを与えられたという。だからこそ、「絶対に点を取られたくなかった」という一回は全力投球。「『あと2回だから』と思って力を入れた」という八、九回は、再び力強い速球と鋭く落ちるスプリットがさえ、計3三振を奪っていずれも3人で片付け、ラストスパートを決めた。

     141球を投げ抜いての甲子園初完投に中森は「冬にしっかり体幹作りをやってきたから投げ切れた」と力を込める。冬場は毎日、腹筋300回と背筋200回をこなしてきた。その努力を知るだけに、狭間監督は「ここで(1試合を)投げ切れなければ先はないと思っていた」と、期待に応えた右腕をほめた。

     当の本人は「高めに浮く球もあった。もっと低めに投げないと」。決して満足しない姿勢は、更なる成長の源になる。【平本泰章】

    二回裏明石商2死満塁、来田が右前2点適時打を放つ=阪神甲子園球場で2019年3月27日、山田尚弘撮影

    3打点にも「50点」

     ○…明石商のトップバッター来田が計3打点をたたき出した。二回に試合の流れを引き寄せる右前2点打を放つと、八回は右犠飛でチーム6点目をもたらした。一回の第1打席は内角直球に詰まって三邪飛に倒れただけに「走者を還すことだけ」とコンパクトな振りを心掛けた。2四球も選んだが自己評価は「50点」。昨夏の甲子園を経験している、フルスイングが持ち味の2年生は「次は1打席目からチームに勢いをつけたい」と誓った。

    二回裏に適時打を許し汗をぬぐう国士舘の先発・白須=阪神甲子園球場で2019年3月27日、玉城達郎撮影

    一球の怖さを痛感 白須仁久(のりひさ)投手 国士舘・3年

     悔いの残る一球が、勝負に大きく響いた。

     二回2死満塁。明石商の1番・来田に右前へ2点適時打を浴びた。内角を狙った131キロの直球がシュート気味に真ん中高めへ入ったところを捉えられた。「警戒していた打者へ思い切り勝負しに行ったが、甘くなってしまった」。要所での失投の怖さを痛感した。

     直前には2人続けて四球を与えて押し出しで失点。それでも全体的に球を低めに集められた。元々あまり制球は良くないが、冬場に球のばらつきを減らすため、腕のトップの位置を早く作るなど、フォームを修正した成果は表れた。

     打撃では四回2死一、三塁で中前適時打。狙った直球を力みなく押し返し「練習から右手を返すことを意識したことが生きた」という手応えが残った。

     大舞台の雰囲気に動じず、仲間へも積極的に声をかけながら戦った。「悔しいけど、自分がやれることはできて、楽しめた」。自身の進歩と課題の両方を確かめられたのが収穫だ。【石井朗生】


     ○…1回戦…○

     ▽午前9時3分開始(観衆2万1000人)

    国士舘(東京)

      000100000=1

      03000013×=7

    明石商(兵庫)

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