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第91回選抜高校野球

2回戦 明石商、13安打で圧倒 8強、雨に熱気衰えず /兵庫

大分を破り、スタンドへあいさつに向かう明石商の選手たち=阪神甲子園球場で、玉城達郎撮影

 <センバツ2019>

     第91回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)第8日の30日、3年ぶり出場の明石商は2回戦で大分に13-4と大勝して8強入りを決め、初出場だった前回出場時の成績に並んだ。打線は2本塁打を含む13安打を放つ一方、「お家芸」のバントもきっちりと決めた。投手陣は2番手で登板した中森俊介投手(2年)が好投し、四回には自己最速の147キロも記録。試合途中から降り出した雨をものともせずグラウンドで躍動するナインに、満員の1塁側アルプスタンドの熱気は高まる一方だった。

     次戦の準々決勝は31日の第4試合(午後4時開始予定)。明石商は春夏通じて初の4強入りを目指し、強豪の智弁和歌山と対戦する。【黒詰拓也、望月靖祥】

    雨が降る中、笑顔で声援を送り続ける明石商の応援団=阪神甲子園球場で、黒詰拓也撮影

     鮮やかな先制劇だった。一回表、先頭の来田涼斗中堅手(2年)が内野フライエラーで出塁すると、50メートル5秒9の俊足を飛ばしてそのまま二塁へ。続く水上桂捕手(3年)の送りバントで三塁へ進み、主将の重宮涼三塁手(3年)のスクイズで生還。わずか7球の間に無安打で得点してみせた。応援団長の山口翔大選手(3年)は「もっと盛り上げて得点につなげたい」と声を張り上げた。

     直後に同点に追いつかれたが、ナインにあせりはない。二回表、先頭の岡田光一塁手(3年)が左越えソロ。1回戦の6番から5番に「昇格」した試合で結果を出した息子に、母恵さん(41)は「調子は良いと聞いていたが、まさか入るとは」と大興奮。岡田選手も試合後、「夢みたい」と自身初の公式戦本塁打を振り返った。

    【明石商-大分】七回表明石商無死、安藤が右中間三塁打を放つ=阪神甲子園球場で、山田尚弘撮影

     先発した宮口大輝投手(3年)の制球が定まらず、二回途中で中森投手が救援。1回戦で10奪三振と好投したエースの登板にスタンドはわいた。

     その中森投手が四回、投打に大仕事をやってのけた。1死走者なしの場面で打席に立つと、3球目をフルスイング。打球はバックスクリーンへ飛び込んだ。これが公式戦初安打だ。母美幸さん(40)は笑顔で「驚いて足がつりそうです」と喜びを爆発させた。直後の守りでは147キロを記録し、スタンドを大きくどよめかせた。

    雨でぬれないよう、楽器をタオルやポリ袋でくるんで演奏する明石商応援席のブラスバンド=阪神甲子園球場で、望月靖祥撮影

     ナインの勢いは止まらない。八回表には重宮主将が2点適時打を放つなど4点を追加。4月に明石商から異動する用務員の山本佳人さん(57)は、28日に学校で重宮主将ら部員からはなむけの花束をもらったばかりだ。山本さんは「本当にうれしい。涙が出そうになるけれど、日本一になるまで泣きまへんで」と喜んだ。

     八回裏、公式戦では昨春以来の登板となる溝尾海陸選手(3年)がレフトからマウンドへ。雨の中での投球にスタンドからは「溝尾がんばれ」との声が飛び、交代した杉戸理斗投手(3年)が後続を連続三振に仕留めると、歓声に包まれた。最後は南瑛斗投手(3年)が締めてゲームセット。応援団は満面の笑みで校歌を歌った。

    タコの帽子で応援

     ○…明石名物・タコのキャラクター帽子をかぶった明石商ファンがアルプススタンドに登場した。明石市の主婦、吉村香さん(47)だ。ファンになった4年ほど前からほぼ毎試合、地元観光協会が販売した「パパたこキャップ」姿で球場に駆けつけているという。帽子の理由を「明石市をPRしたくて」と説明する吉村さん。今年の明石商について「何と言っても安定した投手力が魅力」と熱く語り、仲間とともに熱い声援を送っていた。

    智弁和歌山、春夏3回優勝の強豪

     奈良・智弁学園の兄弟校として1978年に創設された私立共学校。野球部創部は79年。センバツは2年連続13回目で、94年に優勝した。夏は23回出場して2回優勝。甲子園通算68勝の監督最多勝利記録を持つ高嶋仁前監督が昨夏退任し、プロ経験のあるOBの中谷仁氏が新監督に就いた。OBに西川遙輝選手(日本ハム)ら。


     ■熱球

    初球の好投で緊張解く 杉戸理斗投手(3年)

     中森、宮口両投手の「二枚看板」の影に隠れていた左腕が、雨中の公式戦初登板で躍動した。八回1死一、三塁のピンチに4番手でマウンドに上がると、九回2死で南瑛斗投手(3年)につなぐまで4連続奪三振。「初球のストライクで緊張が解けて試合を楽しめた」と笑った。

     ベンチ入りメンバーの中では数少ない軟式出身だ。入学時は自分より一回り体が大きい硬式経験者の同級生たちに圧倒された。球速も110キロ台で目立たなかった。「試合に出られるのだろうか」。そんな不安を抱えつつも、厳しいトレーニングに食らい付いていった。

     力を入れたのは、グラウンドの横にある約20段の石段を駆け上がるトレーニングだ。10往復のタイムは1分を切るほどになり、同級生の中で最速になった。持久力とともに変化球に切れが増した。球速も上がり、昨秋の練習試合では132キロを出した。

     この日は丁寧に両コーナーを突くことができた。直球、変化球ともに切れがよく、水上捕手は「今日の試合で一番の収穫は杉戸の好投です」と舌を巻いた。

     「次の試合は打たせて取る投球をしたい」。そう語る言葉に自信がみなぎっていた。【黒詰拓也】


    明石商 140210140=13

    大分  100000030=4

    〔神戸版〕

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