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第91回選抜高校野球

東邦、集中打で4強 六回打者一巡5点 /愛知

筑陽学園を破って準決勝進出を決め、スタンドの応援団にあいさつする東邦の選手たち=阪神甲子園球場で、久保玲撮影

 <2019 第91回センバツ高校野球>

     第91回選抜高校野球大会第9日の31日、東邦は初出場の筑陽学園(福岡)と準々決勝で対戦。この日も13安打7得点と打線が好調で、平成最初の優勝を飾った1989年以来30年ぶりにベスト4に進出した。平成最後のセンバツ優勝にまた一歩近づき、三塁側応援団は歓喜の渦に包まれた。東邦は決勝進出をかけて大会第10日の4月2日、準決勝第2試合(午後1時半開始予定)で明石商(兵庫)と対戦する。【高井瞳、秋丸生帆】

    筑陽学園戦で東邦が得点し、肩を組んで喜ぶスタンドの野球部マネジャーら=阪神甲子園球場で、秋丸生帆撮影

     強打の東邦が、堅守の筑陽学園を打ち崩した。四回、2回戦で5打数3安打と活躍した長屋陸渡選手(3年)が「今までで一番良いスイングができた」と強烈なライナーで左前に運ぶ。河合佑真選手(同)も安打で続き、1死一、二塁の好機を作ると、アルプス席の応援は一気にヒートアップ。その思いが届いたのか、今大会無安打だった成沢巧馬選手(同)が適時二塁打を放ち、2点を先制した。スタンドでは、成沢選手の父資康さん(44)が「ドキドキしながら見守った。打ってくれてうれしい」とメガホンを上げて喜んだ。

     六回にも打線が火を噴く。長屋選手の中前打を始まりに安打を重ね、打者一巡の猛攻で一挙5点を追加した。「強打の東邦」の勢いに、アルプス席では志水和史副部長(39)のおいで、野球部員とおそろいの緑の鉢巻き姿の福井智仁さん(10)が「いっぱい打ってかっこいい。僕も甲子園に行きたい」と目を輝かせた。

     今大会、東邦の友情応援に駆け付けている大阪桐蔭高吹奏学部の石村晃一さん(17)は「他の学校を応援するのは複雑な気持ちだったけれど、応援しているうちにもっと勝ってほしいと思うようになった。演奏を力にして頑張ってほしい」と重さ10キロ以上もある楽器スーザフォンを左右に揺すって力強い音色を披露した。

     試合終了後、三塁側アルプス席に駆け寄ったナインらに、応援団から「よくやった」「次も頼むぞ」と激励の声が飛んだ。野球部マネジャーの小島実花さん(3年)は「最高です。いつも通りのプレーをしてくれれば絶対優勝できると思う」と声を弾ませた。

    「堂々」光る鉢巻き

    東邦野球部員の額の鉢巻きには「堂々」の文字が光る=阪神甲子園球場で、秋丸生帆撮影

     ○…アルプススタンドで東邦ナインを応援する野球部員らの額には、金色のインクで「堂々」の文字が書き込まれた鉢巻きが光る。部員の山田海大(かなた)さん(3年)は「金の色と手書きの文字がかっこいい」と気に入った様子。志水和史副部長(39)から「甲子園を盛り上げるものを」と頼まれ、鉢巻きを作った姉よしのさん(41)は「気持ちを込めて書いた。練習を思い出し、文字通り『堂々』応援してほしい」と話した。


     ■熱球譜

    大舞台を楽しむ 長屋陸渡選手(3年)

    【東邦-筑陽学園】四回に左前打を放った長屋陸渡選手=阪神甲子園球場で、山田尚弘撮影

     この日も2安打し、今大会の通算打率5割7分1厘と好調な打撃でチームの躍進を支える。だが、大会直前は不調に悩んだ。練習試合が解禁となった3月上旬以降、20打席連続で凡退。スタメン入りも危ぶまれ、不安が募った。

     そんな時、アドバイスをくれたのが、小学生の時に野球を教えてくれた後藤利之さん(53)だった。近所に住み、地元少年野球の指導者をしていた後藤さんの家に、当時毎日のように通い、後藤さんの長男と3人で日が暮れるまで家の庭で素振りやキャッチボールをした。

     センバツ前、自宅に来てくれた後藤さんに「全然打てんくなった」と相談すると、返ってきた言葉は「楽しめばいいんだ」。気持ちが楽になり、スイングに迷いが無くなった。

     2点を先制した四回の打席では、相手投手の高めに浮いたカーブを捉え、口火を切る左前安打を放った。アルプス席で見守った後藤さんは「感無量。本当に野球一筋の子なので、努力が報われてうれしい」と目を細めた。

     平成最後のセンバツ優勝まであと二つ。チームの打の立役者は「甲子園の大舞台を楽しめている。まだまだ打ちたい」と貪欲に前を見つめる。【高井瞳】


     ▽準々決勝

    東邦

      000205000=7

      000100100=2

    筑陽学園

    毎日新聞のアカウント

    4月3日の試合

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