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第91回選抜高校野球

習志野、春初の決勝 逆転で県勢24年ぶり /千葉

決勝進出を決め、笑顔でスタンドに向かう習志野の選手たち=阪神甲子園球場で、山田尚弘撮影

 <2019 第91回センバツ高校野球>

     10年ぶりの春の舞台で初の決勝進出--。第91回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第10日の2日、習志野は準決勝第1試合で明豊(大分)を6-4で破り、初めてセンバツの決勝に駒を進めた。一回に3点のリードを許したが、足を絡めた習志野らしい野球で点差を詰め、八回に4番の右越え本塁打で勝ち越した。投手2人の継投で2回以降は1失点に抑えた。県勢の決勝進出は、1995年の銚子商以来24年ぶり。習志野は大会第11日の3日午後0時半から東邦(愛知)との決勝に臨む。【秋丸生帆、池田一生】

     「ワン、ツ、スリー、フォ」。吹奏楽部副指揮の加藤昇竜さん(3年)の軽快な掛け声に、いつも通りの「美爆音」が響き、試合が始まった。先発の山内翔太投手(2年)が一回に本塁打を含む3失点を許したが、粘り強く今大会を勝ち上がってきた習志野ナインに焦りはなかった。

     反撃の口火を切ったのは習志野らしい足を使ったプレーだった。三回2死一、三塁から、一走の角田勇斗選手(2年)が二塁を狙うと、三走の根本翔吾主将(3年)が重盗で本塁に走った。二塁手からの返球の前に、根本主将がスライディングで鮮やかに本塁を奪う。直後に桜井亨佑選手(2年)の右前適時打で1点差に迫る。野球部の宮下征也さん(2年)は「今まで打てなかった桜井がここで打ってくれるなんて」とメガホンをたたいて喜んだ。

     尻上がりに調子を上げた山内投手は二回以降、ゆるいカーブを中心に相手打線を2安打に抑え、追加点を許さない。マウンドで奮闘する姿に、スタンドの吹奏楽部員らは楽器を握りしめる。サックス担当の西村那菜さん(3年)は「1回戦のように良い投球を」とエールを送る。五回には難しいバウンドの速い打球を二塁手の小澤拓海選手(2年)が好捕。遊撃手の角田選手と合わせて、「良いぞ、日本一の二遊間」とアルプスから声が響いた。

     七回に小澤選手の中前適時打で同点とし、八回に試合は逆転した。映画「ベン・ハー」の「勝利の行進」が鳴り響く中、桜井選手が打席に立つ。2ボール1ストライクから、高めの直球を思い切りスイング。鋭い打球がぐんぐんと伸びて右翼スタンドに刺さった。右手を掲げてダイヤモンドを一周する4番の姿に、スタンドは歓喜の渦に包まれた。桜井選手の母典代さん(53)は「本当に打ちたくてしょうがなかったと思う。よく打った」と笑顔を見せた。

     習志野はこの回、兼子将太朗捕手(3年)の適時打などでさらに2点を追加。七回から継投した飯塚脩人投手(同)は大会初失点を許したものの要所を抑えた。最後の打者はヒット性の飛球を放ったが、負傷から復帰した中堅手の根本主将がランニングキャッチ。勝利を決めてグラブを高く掲げると、大きな歓声が上がった。スタンドで祈るように手を合わせていたバトン部の長谷川歩沙部長(3年)は「決勝なんて夢のよう。次回も精いっぱい応援します」と涙ぐんだ。


     ■白球譜

    打撃でも投手陣援護 兼子将太朗捕手 習志野・3年

    【習志野-明豊】七回に三塁打を放った習志野の兼子将太朗捕手=阪神甲子園球場で、山田尚弘撮影

     「なんとしても投手陣を助けたい」。1点を追う七回の先頭打者で、右中間を破る三塁打を放ち、逆転の流れを作った。1回戦以来に先発した山内翔太投手(2年)が初回に3失点を許したが、その後は6回まで被安打2と奮闘していた。その活躍に応えるよう、女房役が援護した。

     昨秋の公式戦打率は1割2分5厘。関東大会では自身の打席で走者を還せず、小林徹監督の「お前が打てなくて負けてるぞ」という厳しい言葉が刺さった。「捕手の仕事でいっぱいいっぱいだった。このままでは甲子園も自分のせいで負ける」と責任を感じた。

     冬は走り込みによる5キロ近い減量で体のキレを上げ、1日約1000本の素振りで打撃を固めた。甲子園入りしてからも毎晩1時間近い素振りを続ける。

     この日は八回にも左前打で貴重な追加点を挙げ、勝利に貢献した。2回戦の星稜(石川)戦では好投手から貴重な本塁打を放つなど、甲子園で5安打2打点の活躍。それでも「自分は打者よりも捕手。打撃には自信がない」と苦笑する。

     「冬までは決勝に進むとイメージできなかったが、ここまで来たら頂点しかない。決勝でも自分の仕事をしたい」と気を引き締めた。


     ▽準決勝

    習志野 002000130=6

    明豊  300000010=4

    毎日新聞のアカウント

    4月3日の試合

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