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第91回選抜高校野球

東邦、夢へあと1勝 スタンド「絶対優勝だ!」 /愛知

【明石商-東邦】二回裏東邦無死、熊田が中前打を放つ=阪神甲子園球場で、山田尚弘撮影

 <2019 第91回センバツ高校野球>

     平成最後の優勝に王手をかけた。第91回選抜高校野球大会第10日の2日、東邦は準決勝で明石商(兵庫)と対戦。中盤まで両チーム無得点の息詰まる投手戦は終盤、吉納翼選手(2年)の勝ち越し3点本塁打で均衡を破り、そのまま逃げ切った。30年ぶりの頂点まであと一歩と迫り、アルプススタンドの応援団からは「絶対、優勝だ!」と歓喜の雄たけびが上がった。東邦は3日午後0時半、習志野(千葉)と決勝を戦う。【高井瞳、砂押健太】

     準々決勝まで好調な打撃で試合の主導権を握ってきた東邦にとって、初めての展開だった。この日は相手投手の球威のある直球や鋭い変化球を打ちあぐねていた。

     試合が動いたのは七回。四球などで作った2死一、二塁で打席に立った吉納選手が「ここで打ってチームを勢いづけたい」という思いを乗せて振り抜いた打球はバックスクリーンに吸い込まれた。吉納選手の父竜人さん(37)は「とにかく打ってほしいと祈るような気持ちで見ていた。最高の気分です」と満面の笑みを見せた。野球部の仲間と抱き合って喜んだ福田亘祐さん(2年)は「流れが来ている。この勢いで勝ってほしい」と話した。 明石商も食らいつく。八回に2点本塁打で1点差に追いつかれると、バトン部の渡辺日菜子さん(3年)は「どうにか1点を守り切ってほしい。応援の声が力になると信じて力いっぱい躍ります」と祈るようにグラウンドを見つめた。そんなピンチの局面を救ったのは、森田泰弘監督の一言だった。笑顔で「野球はこうでなくっちゃな」と選手たちに語りかけると、長屋陸渡選手(3年)は「あの言葉に気が抜けた。気持ちを切り替えられた」。その裏、チームは1点を追加し、再び流れを取り戻した。

     そして決勝進出まであと一歩と迫った九回の守り。エースの石川昂弥主将(同)がストライクを取るたびにアルプス席の応援団から「よっしゃー」と声援が飛ぶ。最後の打者を空振り三振に打ち取ると、マネジャーの志水美紅さん(同)は「感無量です」と涙を流した。

     決勝翌日の4日は森田監督の60回目の誕生日。伊東樹里選手(同)は「監督に最高のプレゼントを届けるつもりで決勝は頑張ります」と意気込んだ。


     ■熱球譜

    明石商戦の六回に左前打を放ち、塁上で笑顔を見せる東邦の山田航大選手=阪神甲子園球場で、幾島健太郎撮影

    大舞台で試合重ね成長 山田航大選手(2年)

     9番打者として甲子園で一回り成長した。昨秋は、右肩の度重なる負傷でベンチメンバーに入れなかったが、「心配性で人一倍練習しないと不安でしょうがない」という性格から無我夢中で練習し、甲子園で背番号「15」をつかんだ。

     初めての大舞台。開会式の入場行進では観客の多さに圧倒され、足がすくんだ。「試合で緊張して足が動かない自分しか想像できなかった」

     しかし、試合で勝ち進むごとに実績を重ね、自信がついた。準々決勝まで3試合の打率は3割3分3厘と要所で安打を放ち、チームの決勝進出を後押しした。

     この日もそうだった。六回、相手投手の好投にチームが苦戦する中、「攻撃の糸口を作りたい」とスライダーを捉えて左前打を放ち好機を広げた。森田泰弘監督は「初出場とは思えないくらい良い動きをしている。大会を通して成長してくれた」と認める。

     「守備はまだまだだけど、打撃の面では自信が持てた。決勝でも堂々としたバッティングをしたい」。日に日にたくましくなる2年生から目が離せない。【高井瞳】


     ▽準決勝

    明石商 000000020=2

    東邦  00000031×=4

    毎日新聞のアカウント

    4月3日の試合

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