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森田監督不在の3カ月間で磨かれた 東邦「力を出し切る強さ」とは

【習志野-東邦】優勝を決め喜び合う東邦の選手たち。中央は先発の石川=阪神甲子園球場で2019年4月3日、大西岳彦撮影

第91回選抜高校野球決勝 ○東邦6-0習志野●(3日・甲子園)

 東邦の石川昂弥(たかや)主将(3年)が優勝インタビューの直後に本音を漏らした。これまで「平成最後の優勝を目指す」と何度も公言してきたが、「優勝すると思っていなかった」と笑った。例年のチームと比べると、戦力が充実していなかったからだ。

 近年の東邦はセンバツに出場すると、優勝候補の一角に推されていた。だが、藤嶋健人(現中日)を擁した第88回大会(2016年)で2回戦負けし、前回大会では初戦敗退。看板の強力打線を十分に発揮することなく、足をすくわれていた。森田泰弘監督は「藤嶋の時や昨年よりも力は劣るが、今年は力を全部出し切れる」と説明する。

 その良さが磨かれたのは昨冬、病気で森田監督が不在だった約3カ月間だ。「監督が戻ってきた時に成長した姿を見せたい」と選手たちに自主性が生まれた。

 これまでは打撃練習で外野に散らばった球を漫然と拾っていたが、選手たちの発案で5分や4分半以内に回収するように決め、選手がストップウオッチで計測した。全選手が走って球を回収するようになり、どうやれば早く集められるかなど考えるようになった。「時短」によって河合佑真外野手(3年)は「1回3分打てたのが4分に延びた」といい、練習量が増えただけでなく、きびきび動くことでグラウンドで緊張感も生まれた。また、コーチ陣にウエートトレーニングなど練習メニューを提案するなど、選手自ら動いた。

 自ら考えて行動に移すことは試合で生きる。ベンチ入り18人のうち、昨春の甲子園経験者は3人だけだったが、決勝での無失策も含めて全5試合で2失策。大舞台でも自滅することなく、隙(すき)のない野球を貫いた。

 平成元年の第61回大会で優勝したチームの主将を務めた山中竜美さん(47)は「我々の頃は厳しい練習についていくことで自信がついた。主体的に取り組む今の選手は素晴らしい」とたたえる。平成最後の甲子園大会を制した若者は、次代の高校野球のあり方を示した。【安田光高】

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4月3日の試合

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