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88年前の広島商野球部 北米遠征の写真発見 学生服姿、現地宿舎前で

米サンフランシスコにあった「安藝ホテル」の前に並ぶ、広島商野球部の遠征チームの選手や関係者ら=1931年8月11日、田中理子さん提供

 1931年に開催された第8回選抜中等学校野球大会(現選抜高校野球大会)で優勝した広島商の選手らが、同年夏に北米遠征をした際の写真(縦22センチ、横20センチ)が、大津市内で発見された。現地の宿舎の前で、学生服に身を包んだ当時の球児たちが写っている。所有者の女性は「広島商が15年ぶりに夏の甲子園に出場した時に見つかったのも何かの縁」と話し、同校に寄贈する意向を示している。

 当時は選抜優勝の副賞に海外遠征旅行があった。広島商は7月上旬から9月上旬にかけ、カナダやアメリカで地元の高校生や日系人チームと対戦。11勝2敗3分けの好成績を残した。

 写真を見つけたのは大津市に住む田中理子(りこ)さん(71)。田中さんの祖父の義妹が戦前、米サンフランシスコで経営していた「安藝(あき)ホテル」に、広島商遠征チームが宿泊した際の写真と考えられる。チームは8月上旬から中旬にかけ、サンフランシスコ周辺で試合をしており、懸垂幕に「廣島商業學校 野球團本部」と書いてあることから、同ホテルが拠点だったらしい。

 写真の人物は個別に特定できていないが、一行には、後にプロ野球・南海で選手や監督として鳴らした鶴岡一人さんや、広島の初代監督を務めた石本秀一さんらがいた。撮影日は「昭和六年八月十一日」とあり、翌日にサンフランシスコに隣接するアラメダ市で同市の日系人チームと対戦し、3―4で敗れた記録も残る。

 写真が伝わった経緯は不明。7月、田中さんの両親が住んでいた大津市内の家を引き払う際に偶然見つけた。田中さんは「大先輩たちの姿を胸に、現役選手たちも甲子園で活躍してほしい」と話している。

 広島県立文書(もんじょ)館(広島市中区)の西向宏介研究員によると、1931年に北米へ行った際の広島商の写真は他に、7月にカナダ・バンクーバーで撮影された1枚があり、写真中の懸垂幕などから、今回の写真は同じ遠征の一場面と考えられるという。広島の古い資料や戦前の写真は、原爆投下の際に失われてしまったものが多く、西向さんも「貴重な写真が残っていてよかった」と評価する。

 広島商の荒谷忠勝監督(43)は「自分が現役の野球部員だった頃にお世話になったOBも写っているはず。15年ぶりに甲子園に出場した時にこういった写真が見つかり、運命的なものを感じる」と喜んでいる。広島商は10日の大会第5日第3試合で、岡山学芸館と対戦する。【礒野健一、松室花実、柴山雄太】

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