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第72回秋季東北地区高校野球県大会(県高野連主催、毎日新聞山形支局など後援)は28日、中山町の荘内銀行・日新製薬スタジアムやまがたで準決勝を行い、鶴岡東が3年ぶり11回目、日大山形は2年ぶり27回目の東北大会出場を決めた。
鶴岡東は7四死球に8本の長短打を効果的に絡め、先発全員得点で東海大山形に快勝。優勝した2014年以来の決勝進出を決めた。日大山形は同点の九回、佐藤拓(1年)のサヨナラ本塁打で山形中央との接戦を制し、優勝した16年以来となる決勝に進んだ。
29日は同スタジアムで午前10時から3位決定戦の東海大山形―山形中央があり、東北大会への残り1枠を争う。午後0時半から鶴岡東と日大山形が決勝で対戦する。【日高七海、的野暁】
鶴岡東が甘い球を確実にとらえ、14安打で大勝。一回に鈴木の犠飛で先制し、二回は山路の2点二塁打、三回は吉田の2点三塁打など序盤で試合を決めた。東海大山形は投手陣の制球が安定せず7四死球。走者をためたところを痛打された。
日大山形がサヨナラ勝ちで接戦を制した。同点の九回、佐藤拓が右越えソロを放った。先発・加藤は打たせて取る投球で完投。山形中央は六回に小松、七回に太田の適時打でひっくり返したが、粘りの投球を続けていた太田が最後に捕まった。
■球詩
4点リードの三回、3点を追加し、なおも2死二、三塁から右中間へ2点三塁打を放ち、勝利を決定的なものにした。他の打席は右前打、左犠飛、死球で、2打数2安打3打点。県大会は3試合とも「3番・左翼」を任された左打者は、中軸の役目をきっちりと果たしている。
今夏はベンチ入りを果たせず、甲子園で3回戦まで勝ち進んだ先輩たちを見て、「格好良かった。自分も活躍できる選手になりたい」と目標を新たにした。中軸に入ったとはいえ、「単打でつなぐ。好機で走者を還し、塁にいれば進ませる」ことに徹している。
3試合連続2桁得点で危なげなく東北大会行きを決めたが、「一つ一つのプレーを大切にするのが自分たちのチーム。相手は関係なく、一戦必勝で挑んでいきたい」と謙虚な姿勢で決勝に向かう。【日高七海】
チャンスがついえた直後、一振りで歓喜をもたらした。同点の九回、左前打で出た先頭の浅利(1年)は捕手のけん制で刺された。当初はバントのサインだった佐藤拓は「とにかく塁に出よう」と気持ちを切り替え、左打席から内角低めの変化球をすくうように捉えると、打球は右翼席へ。公式戦初という本塁打に仲間から「最高だ」と迎えられ、荒木準也監督は「がっかりする時によく振り抜いた」とたたえた。
春の県大会はベンチ入りしたが夏はメンバーを外れ、悔しさを糧に練習に励んだ。監督に「打ってからのもう一押しが足りない」と助言され、下半身に体重を乗せたスイングを意識し「今日の1本につながった」という。
村山地区予選の初戦で山形学院に敗れたが、敗者復活から県大会に進んで東北大会へ。その前に夏の覇者・鶴岡東に今の力を試す。【的野暁】
<荘内銀行・日新製薬スタジアムやまがた>
▽準決勝
鶴岡東
13570=16
00011=2
東海大山形
(五回コールド)
(鶴)佐藤、宮地―北原
(東)桑山、嵯峨、渋谷―丸子
▽本塁打 佐藤(鶴)
▽三塁打 吉田、鈴木(鶴)
▽二塁打 山路2、伊藤2、野川(鶴)
▽試合時間 1時間54分
▽同
山形中央
000001100=2
001000101=3
日大山形
(山)太田―高木
(日)加藤―町田
▽本塁打 佐藤拓(日)
▽二塁打 高木(山)宇津木、浅利2、鹿野(日)
▽試合時間 2時間