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センバツ21世紀枠・候補校紹介

候補校紹介/2 磐城(東北・福島) 自主性尊重、着実に力

練習後、岩間主将(右端)を中心に翌日の練習内容などを話し合う部員たち

 <第92回選抜高校野球大会>

     2019年10月の秋季東北大会で46年ぶりに2勝を挙げて8強入りした。その磐城は初戦の後、地元の福島県いわき市へ一旦帰っている間に台風19号に襲われた。学校周辺も河川の氾濫で大きな被害を受けた。家屋浸水で救助のヘリコプターの飛び交う厳しい現実を見て大会に戻り、臨んだ2回戦。選手たちは「野球をやっていいのか」という迷いを抱えつつ「勝って地元を元気づけよう」と結束した。しぶとい逆転劇で勝利を収めた。

     大会後に帰郷すると、土が大量に流出したグラウンドを整備し、別のグラウンドを使えなくなったサッカー部とラグビー部に提供。半月余りを被災家屋の片付けなどボランティア活動に費やした。東北大会の健闘を知る住民に激励されることも多く、沖政宗投手(2年)は「地元の支えと野球ができるありがたさを感じた」と振り返る。

     地域随一の進学校は甲子園に春2回、夏7回出場。1971年夏に準優勝したが、95年夏を最後に遠ざかる。15年に着任したOBの木村保監督(49)は「勉強も野球も自ら全力で取り組もう」と自主性を尊重して指導する。部員の積極性や粘りが引き出されてチーム力も高まり、同年から東北大会に春秋計4度進んだ。

     選手19人と女子マネジャー1人の現在のチームも、練習のメニューや課題、修正点を自分たちで考え、木村監督が口を出すのは要所だけ。東北大会2回戦でも選手同士で話し合って試合途中から打撃の狙いを変え、劣勢から逆転した。岩間涼星主将(2年)は「会話を大切にし、自分たちで考えられるのが強み」と自信を持つ。

     19年春から野球を広め、他人への思いやりも学ぼうと、近くの小学校の学童クラブで週1回程度、ティーボールを教えたり、ドッジボールや鬼ごっこなどで遊んだりする活動に取り組む。部員にあこがれ「磐高(いわこう)で野球をやりたい」という小学生も出てきた。地域の力も糧に前進するチームは、着実に強さと存在感を増している。【石井朗生】=つづく

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