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春風と共に

’20センバツへの軌跡 天理/上 主将の姿にチーム奮起 不振の「秋」から再出発誓う /奈良

2019年秋の県大会の表彰式。3位でかろうじて近畿大会の出場権を得た下林源太主将(中央)は、悔しそうな表情を見せた=橿原市の佐藤薬品スタジアムで、小宅洋介撮影

 2019年の秋季県大会。初戦から準々決勝まで全てコールドで勝ち上がった天理は、準決勝の智弁学園戦で苦戦を強いられた。天理は初回、4番・山地裕輔選手(2年)の本塁打で2点を先取。ベンチは沸き立ち、誰もが「勝てる」と手応えを感じた。ところが三回に智弁学園に打者一巡の猛攻で6点を許すと、五回までに計13点を奪われ、コールド負けを喫した。

     「力不足を痛感した」。先発の吉岡大誓副主将(2年)は唇をかみしめた。さらに近畿大会出場がかかる3位決定戦では、奈良を相手に2―1でかろうじて勝利したが、「負けられない」というプレッシャーから選手のぎこちなさも目立った。

     どうしたらチームを立て直せるのか――。下林源太主将(2年)には苦い思い出がある。19年夏は先発メンバーに選ばれたが、奈良大会は準々決勝で敗れてベスト4入りもできなかった。最後の打席は三振。新チームが発足して主将に選ばれると、チームの練習量を大幅に増やした。朝練習を導入し、夏休み中は毎日朝5時半から基礎練習をくり返した。夕食後も皆で黙々とバットを振った。練習量には自信があっただけに、下林主将は「何か一つを変えないと、近畿大会は1回戦で敗退してしまう」と危機感を募らせた。

     苦悩する下林主将の姿を目にして動いたのは山元太陽、逸見顕太郎両副主将(いずれも2年)だった。寮生の2人は10月8日、主将抜きでひそかに寮生選手を集め訴えた。「下林は今、人一倍率先して声を出し、動いている。下林にやらせるのではない。『俺たちがやるから下林はそこで見ておいてくれ』というくらいの気持ちでいよう」。役職や立場に関係なく、チーム一丸となって練習に臨まなければ難関は突破できない。そんな思いからだった。

     「この3年間では一番力が無いチーム」。中村良二監督の新チーム結成時のチーム評だ。選手たちもそのことは重々自覚していた。近畿大会まで残された時間は2週間。5年ぶりのセンバツ出場を目指しての再出発が始まった。【小宅洋介】

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