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春風と共に

’20センバツへの軌跡 天理/下 破竹の勢いで近畿優勝 誇り懸けた練習、成果 /奈良

練習前のミーティングに臨む選手たち=天理市の天理親里競技場で、小宅洋介撮影

 「天理のプライドを取り戻す」。2019年10月8日の“主将抜き”のミーティングなどをきっかけにチームの士気は高まった。「皆が声を出すようになった」(逸見顕太郎副主将)。シートバッティングではミスを互いに厳しく指摘し、良いプレーは褒めあった。レギュラー以外の選手も必死だった。練習後に自発的に集まり、登録メンバーが頑張れるようにと応援歌を作成したり、応援練習を行ったりした。

     19年の秋季近畿地区大会。初戦の相手が兵庫を1位通過した強豪・報徳学園と決まると、天理は相手の徹底研究を始めた。相手投手の鋭い直球への対策が必要だと判断。バッティングマシンの速度を上げ、打者がマシンに近寄って打ち返す練習をくり返した。

     迎えた10月23日の本番。練習の成果はいきなり現れた。初回、先頭打者の下林源太主将(2年)は初球が狙い球の直球だと見極めると、フルスイングで捉えてレフトスタンドに運んだ。さらに山元太陽副主将(2年)の本塁打などで、七、八回で計6点を追加し勝利を手にした。

     先発の庭野夢叶(むうと)投手(2年)は10安打を浴びながら1失点で完投した。中村良二監督は、接戦となった県大会3位決定戦の奈良高との試合を通じ、選手らが「粘り勝ちの方法を学んだ」と見る。苦い経験は、選手たちの血肉となっていた。

     報徳戦で自信を付けた選手たちは近畿大会を破竹の勢いで勝ち上がっていく。準決勝の履正社(大阪)戦では、河西陽路選手(2年)の適時打でサヨナラ勝ち。決勝では大阪桐蔭を12―4で降し、1年生の達孝太投手が先発で好投を見せるという収穫もあった。

     ただ課題も見えてきた。明治神宮大会準決勝の中京大中京戦(11月18日)は6失策だった上、四球を与えてからの失点が目立った。チームは今、守備練習に力点を置く。「近畿大会での優勝は今でも実感が湧かない。追われる側とも言えるがその実感も無い。変なプレッシャーも無く、このまましっかりやっていきたい」(下林主将)。選手たちにおごりは一切見えない。【小宅洋介】

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