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春を駆ける・2020センバツ

選手紹介 星稜 林大陸選手(2年)/林和成監督 親子そろって聖地へ /石川

林大陸選手(2年)

監督、選手とのつなぎ役に

 「星稜に行きたい」。小学生だった林大陸(りく)選手(2年)は母親に連れられて行った甲子園で淡い思いを募らせた。大舞台で星稜ナインの黄色のユニホームが輝いて見えた。ベンチでサインを出したり、腕を組んで戦況を見詰めたりする姿。監督の父の後ろ姿は今でも鮮明に覚えている。

    林和成星陵監督

     今春はその父、林和成監督(44)とそろって聖地の土を踏むことになりそうだ。新チームでは一時レギュラー入りした。秋季大会では5試合で4打数1安打。明治神宮大会初戦の明徳義塾(高知)戦では、六回に代打に立ったが、結果は三振。「流れを変える役目を果たせなかった」。練習を重ねながら、悔しさを晴らせる春を待つ。

     父と同じチームに加わることにためらいはなかった。小学校卒業を前に、星稜中に進みたい、と告げると「お前が好きなようにやれ」と返ってきた。「いろいろな人の見方がある。苦労もするだろう」と両親には「監督の息子」として見られることへの懸念もあったが、本人は「実力でレギュラーに入る」と他の道は考えなかった。念願の星稜のユニホームを着るようになった今も、その決断に後悔はない。「仲間は1人の人間として見てくれる。周囲に恵まれた」

     チームメートにとって「親子鷹」は格好の「ネタ」でもある。求めに応じて、大陸選手が披露する監督のノックのものまねで周囲は笑いに包まれる。父と顔が似てきたといじられると、「言わないでくださいよ」と、顔を手で覆って笑わせてみせた。星稜中から一緒の笠井昴己(こうき)選手(同)は「明るすぎてうっとうしいくらい。でも、それも良さです」と話す。

     大陸選手は春に向け定位置を狙う一方、花牟礼優選手(同)とともに副主将として内山壮真主将(同)を支える。「内山や監督の考えていることを理解して、サポートしたい。補欠の経験も長いので補佐する側の気持ちも分かる」と話す大陸選手に林監督は「スタッフと選手、上級生と下級生などさまざまなつなぎ役になってほしい」と期待する。

     二人の関係に太鼓判を押すのは山下智将部長(38)だ。現在は名誉監督を務める父の智茂さん率いるチームで1998年の夏の甲子園に出場し、翌年には主将も務めた。だが「割り切って他人として、監督としてしか見ていなかった。怖くて口を利くことも少なかった」と明かす。意思疎通次第でチームはもっと強くなったかもしれないという思いを抱える山下部長は「林監督と大陸はコミュニケーションがとれている。自分と同じ失敗をするとは感じていない」と強調した。

     同じ野球人として、白球にかける親子が挑む春はもうすぐだ。=おわり

    毎日新聞のアカウント

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