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2020センバツ・頂点つかめ!

第2部・新監督の挑戦 桐生第一/上 対話重視「考える野球」 /群馬

選手に指示を出す今泉壮介監督(右)=群馬県みどり市の桐生第一高グラウンドで

 <頂点(てっぺん)つかめ!>

     選抜高校野球大会(センバツ)に4年ぶり6回目の出場を果たした桐生第一。かつて夏の甲子園を制覇した県内有数の強豪校は、就任2年目の今泉壮介監督(40)のもとで、新チームに生まれ変わった。伝統に新しさを加味した“新生桐一”の取り組みを2回に分けて紹介する。【妹尾直道】

    2主将中心に「役割」徹底

     突然の監督交代だった。2018年8月下旬、当時の福田治男監督(58)が退き、コーチだった今泉壮介氏が急きょ後任監督に就任した。秋季県大会直前の交代劇に、今泉監督は「なにがなんだかよく分からない状態だった。それでも秋は持っているもの発揮しようと指揮を執った」と振り返る。

     創部当初から指揮を執った福田前監督は、チームを甲子園に春5回、夏9回導き、1999年夏の甲子園で県勢初優勝を達成した名伯楽。今泉監督自身も選手時代に指導を受けた。恩師の後任とのプレッシャーに加え、群馬を代表する強豪校を率いる難しさに、今泉監督は「勝たないといけないという重圧はつきまとう。結果を出し続けることの大変さを感じている」と話す。

     監督就任にあたり、大切にしたのは選手の自主性だ。「選手に指示して1から10まで言うのは簡単だが、選手は何も考えなくなる。練習中はだまって見ていることが多い」と、細かなミスや気になったことがあっても口に出さず、選手自身が気づき、考える力を育んできた。1年目には、紅白戦で選手に考えさせ、サインを出させたこともあった。他方で、生活面では佐藤秀太郎部長(37)らが厳しく指導し、メリハリをつけて野球に集中できる環境を整えた。

     「これまでOBが築き上げてきた『元気』や『気迫』といった良い部分を引き継ぎながら、チームカラーは柔軟にしていきたい。その世代の選手に合った取り組みをしたい」。今年度のチームでは広瀬智也(2年)、福士信晃(同)のダブル主将を中心に選手との対話を重ねて「役割分担」を徹底した。チームは昨秋の公式戦で、前年には見られなかった勝負強さを発揮し県大会で優勝、関東大会では4強入り。就任2年目でセンバツの切符をつかんだ。

     春夏通じて4年ぶりにつかんだ甲子園の舞台。将来にも好影響を与えると感じている。「甲子園が手に届くところにあると感じ、選手の目標がより明確になる。また戻ってこられるよう何かを残して桐生に帰りたい」。選手、監督として初めての聖地で躍進を誓う。

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