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新型コロナでセンバツ中止 平田の選手、懸命に前を 保護者ら落胆、涙… 21世紀枠で選出 /島根

開催を信じて厳しい練習に打ち込んできたが……=出雲市平田町の平田高で2020年3月11日、鈴木周撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大により、11日に中止が決まった第92回選抜高校野球大会。21世紀枠で選ばれ、春夏通じて初の甲子園切符をつかんだ平田(出雲市平田町)は開催を信じて練習してきた。選手たちの中には、ショックのあまり目を赤く腫らす姿も。だが「他の部活の大会も中止になっている。仕方がない」「切り替えて、夏の甲子園を目指す」などと懸命に前を向いた。【鈴木周】

     植田悟監督(48)が打撃練習を切り上げて集合するよう声を掛けたのは11日午後6時ごろ。ネットやボールを片付け、グラウンドの土をならす時間は、普段ならホッと一息ついて雑談も許される雰囲気だが、この日はピンと張り詰めたまま全員無言だった。

     整列した選手たちに植田監督は大会中止を告げ「センバツ出場校に選ばれた1月24日以降、3月19日の開幕を目指して一人一人よく頑張った。夏の県大会で優勝して、必ず甲子園の土を踏もう」と言葉を選びつつ静かに語りかけた。

     マスクを着けて報道陣の取材に応じた保科陽太(ひなた)主将(2年)は「甲子園で自分たちの力を発揮できるように練習していた。夏に向けてレベルアップしたい」と絞り出した。

     21世紀枠の選考過程で高く評価された幼児向けの野球体験会のメニュー作成や道具の準備で中心を担ってきた坂田大輝選手(2年)は「地元の子どもたちにかっこいい姿を見せたかったので悔しい」とうつむいた。

     コロナ禍(か)の中でも部活動ができるとして県教委が示した「全国大会を控えている」という条件がなくなり、練習は12日から中止に。三島毅輔選手(2年)は「開催を信じていた。気持ちの整理がつかないが、練習再開までに切り替えないと」と無念さを語った。

     チーム周辺にも重苦しい空気が広がった。坂根昌宏校長は「無観客でも何とか開催してほしかった」と落胆。古川雅也投手(2年)の父豊さん(48)は「子どもたちが夢の甲子園の土を踏めないのは残念でならない」と涙を流した。

    センバツ中止から一夜明けても、平田の甲子園出場を祝福する横断幕を掲げたままのマツウラスポーツ=出雲市平田町で、鈴木周撮影

     選手たちが通うスポーツ用品店「マツウラスポーツ」(出雲市平田町)の代表、松浦康之さん(48)は、聖地で選手が使うはずだった帽子やジャンパー、バッグなどを12日に納品する予定で、ナインの晴れ姿を心待ちにしていた。中止決定から一夜明けても、店の入り口には甲子園出場を祝う横断幕を掲げたまま。「すぐに外すと何もなかった感じがする。せめて3月中はこのままにしたい」

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