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春の涙、笑顔に変わった 「チーム一丸」「勝ちにいく」

 新型コロナウイルスの影響で中止となった第92回選抜高校野球大会出場校の野球部員たちを「甲子園」での試合に招待する「2020年甲子園高校野球交流試合(仮称)」の開催が10日決まった。既に夏の甲子園大会も中止が決まっており、春夏の夢舞台を失った選手たちへのせめてもの贈りものとなった。選手たちは憧れの地で試合ができる喜びをかみしめ、春夏とは違う新たな舞台に向け、「勝ちにいきたい」と早くも闘志をたぎらせていた。

    「忍耐」心の支え 21世紀枠・磐城

     センバツに21世紀枠で選出されていた磐城(福島)。10日夕、練習中に吉田強栄校長から交流試合の開催決定を伝えられると、ナインに笑みが浮かんだ。渡辺純監督は「(4月に)着任してから、ずっと部員たちの悲しい顔を見てきた。やっとうれしそうな顔を見られた」とホッとした表情を見せ、「高校野球を最高の舞台で終えられる人は少ない。全力で戦いたい」と決意を新たにした。

     岩間涼星主将(3年)は「(センバツ中止が決まった時は)野球の神様はいないのかと落ち込んだ。でも(3月で退任した)木村(保)前監督が残した『忍耐』という言葉が心の支えとなって頑張ってこられた」と振り返った。一時は受験勉強に専念しようとしていた選手もいたというが、「野球も勉強も(部訓の)Play Hardで最後まで頑張ろう」と誓い合っていたという。「交流試合開催決定は奇跡。チーム一丸となり、(チームカラーの)コバルトブルーのプライドで試合に臨みたい」

     木村前監督も取材に応じ「(センバツ中止で)選手たちは、はい上がれないほど苦しい日々が続いた。甲子園で躍動してほしい」とエールを送った。

     真夏日となった北海道帯広市。同じく21世紀枠だった帯広農のグラウンドでは、野球部の大久保聡彦部長が交流試合への招待を選手に伝え、「感謝の気持ちを持って甲子園で勝負してほしい」と話した。

     緊急事態宣言も解除され、学校が再開した1日、野球部は約1カ月半ぶりに全体練習を開始。道高校野球連盟が開催する代替地方大会を目標に動き始めていた。新たな目標に加わった交流試合に井村塁主将(3年)は「思い出作りではなく、勝ちにいきたい」と意欲をみせた。

     グラウンドでは3月末の定年退職前まで野球部長を務めた白木繁夫さんがコーチとしてチームを支える。「1試合でも選手がグラウンドに立つことができるのはうれしい。私もノッカーとしてグラウンドに立てるかな」と語った。【磯貝映奈、三沢邦彦、小坂春乃】

    甲子園で燃え尽きる 中京大中京・県岐阜商、決意新た

     県岐阜商(岐阜)の鍛治舎巧監督は同校で記者会見し「センバツ出場が決まった1月24日と同じ気持ち。はるか遠くにかすんだ甲子園が突然、目の前に現れた」と喜んだ。野球部員に向け「甲子園を目指してきた仲間が全国に14万人いることを忘れず、彼らの分まで燃え尽きて灰になるつもりで戦って」と呼びかけた。

     会見後には、監督に就任した2018年以降の野球部の歩みを振り返る冊子「閉ざされた甲子園の先に」を自ら作製していたことを明かした。「『甲子園だけが全てじゃない』と部員たちに伝えるつもりで作ったが、全てになりそうだ」

     19年の明治神宮大会で初優勝し、春の優勝候補の一角と目された中京大中京(愛知)の高橋源一郎監督はコメントを発表。「選手たちは気丈に振る舞っていたが、甲子園がなくなってショックを受けているのは誰の目にも明らかだった」とし、センバツ交流試合について「感謝の気持ちを持ってプレーさせていただく。他校の情熱に一歩も引けをとることなく、最高の姿を見ていただきたい」と述べた。【熊谷佐和子、ガン・クリスティーナ】

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    8月17日の試合

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