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16カードここに注目 センバツ交流試合

140キロ台5人の県岐阜商 速球に強い明豊打線 継投機がカギ 第2日第3試合

長打力が魅力の明豊・布施心海(左)と球威のある直球が持ち味の県岐阜商・森大河

 2020年甲子園高校野球交流試合(日本高校野球連盟主催、毎日新聞社、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)が8月10日から、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で行われる。11日の第3試合で対戦する明豊(大分)と県岐阜商(岐阜)の見どころや両チームの戦力、学校紹介、応援メッセージを紹介する。※全国大会出場回数は今春のセンバツを含む。

4強入りした2019年のセンバツでは全4試合に登板した明豊の若杉晟汰投手=神宮球場で2019年11月17日、尾籠章裕撮影

ベテラン監督の采配も注目

 最速140キロを超える投手を5人も擁する県岐阜商と、2019年秋のレギュラー全員が打率3割を超える明豊。投打に特色のあるチーム同士の一戦は、継投のタイミングがポイントになる。県岐阜商を率いる69歳のベテラン、鍛治舎巧監督の采配も注目される。

 県岐阜商は適材適所の投手起用で、接戦をものにしてきた。19年秋の東海大会2回戦の愛工大名電(愛知)戦では、速球に多彩な変化球を織り交ぜる左腕の野崎慎裕から、直球主体の森大河、佐々木泰の両右腕に継投し、5―3と競り勝った。

 一方、昨秋の公式戦で4割近いチーム打率を誇った明豊は、球威のある投手攻略に自信を見せる。九州大会準々決勝の沖縄尚学戦では、居谷匠真が2点を追う九回に相手投手の速球をとらえ、満塁の走者を一掃する逆転の適時三塁打を放った。

選手を指導する県岐阜商の鍛治舎巧監督=岐阜市で2020年2月2日、兵藤公治撮影

 チームカラーが対照的な両チームだが、鍛治舎巧監督は「どんなパターンでも、融通無碍(むげ)に対応してきた」と柔軟な試合運びに自信を見せる。対する38歳の明豊・川崎絢平監督は「(17年まで鍛治舎監督が率いた熊本の)秀岳館に勝つために(力を)蓄積してきた」と闘志を燃やす。両チームのベンチワークも興味深い。【吉見裕都】

出場校トップの得点力 昨春4強の明豊

 昨年のセンバツで春夏の甲子園を通じて初の4強入りを果たし、一つの壁を乗り越えた。全国の強豪への道を歩むチームの強みは、鍛え上げられた強力打線。昨秋の九州大会では1回戦で唐津商(佐賀)から20点を奪い、決勝の大分商戦でも13得点。4試合で計43得点の猛打を見せ、12年ぶりに優勝した。

 昨秋の公式戦でのチーム打率は3割9分。1試合平均得点(11.50点)はセンバツ交流試合に出場する32校で堂々のトップだ。力強いスイングで打率が5割を超えた居谷匠真(3年)や、1年時からのレギュラーで、4本塁打と長打力のある布施心海(しんかい、3年)ら、上位から下位まで打線の切れ目がない。エースで主将の左腕、若杉晟汰(せいた、3年)は昨年のセンバツで先発3試合を含む全4試合に登板するなど、甲子園での経験が豊富。最速144キロの直球を軸とした攻めの投球が光る。昨秋は右足薬指を疲労骨折した影響で本調子を欠いたが、復調が期待される。

 春先は新型コロナウイルスの感染防止を図るため、練習は約90人の部員を4班に分け、時間を2~3時間に短縮した。通常通りの練習が再開したのは5月下旬だった。センバツ交流試合の開催が告げられると、選手たちは驚きの表情を浮かべた後、生き生きと練習に打ち込んだ。赤峰淳部長は「子供たちの思いが報われる形になってうれしい」と話した。

 選手たちのモチベーションは高まっており、布施は「甲子園に出るために今まで練習をしてきた。1試合でも試合ができるのは本当にうれしい」。若杉も「交流試合の貴重な1戦を必ず勝利し、さすが日本一を目指す明豊だ、と言われるように全力で戦う」と誓う。【河慧琳】

明豊・若杉晟汰主将の話

 (県岐阜商は)投打ともにすごくよいチーム。大会が開かれることによって、全員のモチベーションがものすごく上がってきている。自分たちの粘り強い野球、明豊野球をしていきたい。

校歌は大分出身の南こうせつさん作曲

 1999年創立の中高一貫校。野球部も99年に創部した。甲子園では昨年センバツの4強が最高で、夏は8強が3回。卓球部なども強豪。卒業生に今宮健太選手(ソフトバンク)、東京パラリンピック女子走り幅跳び代表内定の中西麻耶選手ら。校歌は大分県出身の南こうせつさんが作曲した。大分県別府市。

明豊野球部保護者会長の川原俊成さん

「最高の笑顔で最高の勝利を」明豊野球部保護者会長・川原俊成さん

 センバツ交流試合の開催にあたり、ご尽力いただいた県高野連の皆様、これまで野球部の活動を支えていただきました同窓会やOBの皆様、そして、温かい声援をいつも届けてくださる地元の皆様など、関係する全ての皆様に、改めて心より感謝申し上げます。

 交流試合は、くしくも今年7月の豪雨の被害が大きかった県同士の対戦になりましたが、この試合では、両県の皆様を勇気づけられるような、元気ではつらつとしたプレーを期待するとともに、選手には夢にまで見た甲子園を思いの限り楽しんで、ユニホームを泥だらけにして帰ってきてほしいと思います。

 さあ、夢舞台、明豊らしく最後の一球まで全力で、最高の笑顔で最高の勝利を!

2019年秋の公式戦では主に先発を担った県岐阜商の野崎慎裕=岐阜市長良福光の長良川球場で2019年11月2日、横田伸治撮影

伝統の重圧乗り越え 古豪復活期す県岐阜商

 甲子園で春夏通算優勝4回、準優勝6回。通算勝利数は全国4位で、公立校ではトップの87勝を誇る。しかし最後に優勝したのは戦前の1940年春。古豪復活の期待を託されたのは2018年春に就任したOBの鍛治舎巧監督だ。

 秀岳館(熊本)を率いて16年春から甲子園で3季連続4強入りした69歳のベテラン監督は、白色を基調としたユニホームのデザインを山吹色や青を配したものに一新。伝統の重圧を拭い去る意識改革や猛練習を課し、19年秋の東海大会で準優勝した。

 「うちほど(練習を)やっているところは全国でもそうそう無い」と鍛治舎監督が自負するのは、フィジカル面の強化。練習前に3本指での腕立て伏せ100回、腹筋300回に加え、2人1組で50メートルに及ぶ「手押し車」を4方向に各4往復。素振りは就任前の3倍近い1日1200回に増やした。

 成果は投打に表れた。投手陣は本格派右腕の森大河(3年)、多彩な変化球も繰り出す左腕の野崎慎裕(2年)ら最速140キロを超える投手が複数おり、層が厚い。攻撃は昨秋の公式戦で打率4割超の佐々木泰主将(3年)を中心に下位打線まで粘り強い。1試合平均盗塁数(3.25個)は出場32校でトップタイと機動力も備える。

新型コロナウイルスの影響による活動自粛を経て、練習再開初日にキャッチボールをする県岐阜商の選手たち=岐阜市則武新屋敷の県岐阜商高で2020年6月15日、横田伸治撮影

 活動休止を経て6月半ばから練習を再開。当初は球速が130キロ台に落ちた森も「調整はできている。甲子園では150キロを投げたい」と意欲十分だ。佐々木主将は「グラウンドでの練習は当たり前のことではなかった。甲子園でも勝って引退したい」と意気込む。

 学校内での新型コロナウイルスの感染拡大で岐阜県独自大会の出場は断念したが、交流試合を集大成の場にしたい。【横田伸治】

全国制覇4回 卒業生に高橋尚子さん

 1904年に市立岐阜商業学校として創立。48年に市立女子商と統合し、51年に現校名となった。野球部は25年創部。甲子園では33年、35年、40年のセンバツと36年夏の計4回優勝した。卒業生に高木守道さん(元中日)、2000年シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子さんら。岐阜市。

県岐阜商・佐々木泰主将の話

 (明豊は)攻撃力、守備力ともに高いチーム。今は、ウエートトレーニングに力を入れたおかげで打球の飛距離が伸びて、いい状態にある。悔いのないように頑張りたい。

県岐阜商野球部の下宿生に食事を提供する、喫茶店「ベルエポック」店主の鹿島靖夫さん(右)と美喜さん夫婦=岐阜市福光南町1の「ベルエポック」で2020年7月6日、熊谷佐和子撮影

「我が子を応援するように観戦」喫茶店「ベルエポック」店主・鹿島靖夫さん

 昨年4月から野球部の生徒に夕食を提供していますが、センバツ中止決定時は、どう声を掛けようか迷いました。4、5月には生徒から「(コロナ禍で)休業中の店内でトレーニングをしたい」との申し出がありました。休校中も店内にマシンを持ち込み、常に高い意識を持ち続けようとする姿を見てきました。生徒に見習うべき点は多かったです。

 交流試合は店のテレビで、我が子を応援するように観戦します。生徒がバッターボックスに入ると、「ちゃんと打てよ」とドキドキします。安心して見させてほしいですが、力を出し切って負けるなら仕方がありません。せっかくいただいたステージ。悔いを残さない試合をしてほしいです。

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8月17日の試合

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