/上 男子・藤沢翔陵 全てを出し切る走りを 昨年の悔しさバネに変革 /神奈川

毎日新聞

都大路を目前に練習する選手たち=藤沢市善行の藤沢翔陵高で

 師走の「都大路」を駆け抜ける男子第67回、女子第28回の全国高校駅伝競走大会(全国高体連、日本陸連、毎日新聞社など主催)が25日、京都市右京区の西京極陸上競技場をスタートとゴールに開催される。県勢は男子が藤沢翔陵(2年ぶり34回目)、女子は荏田(4年連続10回目)が出場する。大会を目前に控え、2回に分けて両チームを紹介する。【国本愛】

 「今年こそは絶対に勝とう」。県大会前日の11月4日、小町悠人主将(3年)はミーティングで部員全員にそう呼び掛けた。「今年こそは都大路に」。この1年、皆の胸にいつもあった言葉だ。

 5連覇がかかった昨年の県大会は惜しくも2位。初優勝の法政二が大きく掲載された新聞記事を当時の3年生たちは大会翌日、部室の一番目立つ場所に飾った。「この悔しさを引き継ぎ、来年こそは都大路にいってくれ」

 昨年と同じ6区を走った鈴木大海選手(3年)は、自分がペース配分を間違えて1位との差を広げられたという負い目を感じてきた。「部室でいつも目に入る記事が、悔しさを忘れさせてくれなかった」と吐露する。自宅でも前大会のゼッケンを勉強机のカバーに挟んで常に目に入るようにし、昨年の記録を約20秒縮めた。

 悔しさが王者奪還への原動力だった。2年の相澤龍明選手や高橋祐哉選手らも「先輩たちの悔しそうな姿が心に焼き付いていた」などと語る。変革をもたらしたのが、小町主将をはじめとする3年生の意気込みだ。1区を走ったエース加藤直人選手(3年)は「昨年以来、練習に対する意識や集団でのまとまりが変わった」と明かす。

 新チーム発足後、課題として持ち上がったのが「部員同士のつながりの薄さ」だった。そこで、3年を中心に積極的に会話をすることを心がけた。以前は練習中に先頭集団から落ちる選手がいても声をかけることがなかったが、今は落ちそうな仲間へ声をかけ背中を押しながら走る習慣がついた。中学時代はバスケットボール部という石井雅士選手(3年)は「チームメートと走れるのも最後と思えば、気持ちも体もついてくる」と胸を張る。

 自主的に練習の底上げもした。小町主将を中心に、例えば小菅正男監督に「ジョグを4分で」と言われれば、「3分50秒で」などとメニューにあえて負荷をかけてきた。小町主将は「関東大会で3位を取れて、チームは今勢いに乗っている。全てを出し切れるよう頑張りたい」と語る。

 県大会で優勝のテープを切った中島隆太選手(1年)は大会後、「『今年こそは』と先輩方がつないできたたすきの重みを感じてゴールした」と話した。2年越しにたすきをつないで挑む都大路。小菅監督は「今年のチームはグラウンドで絶対に不真面目さをみせない強さがある。本番では真面目さをさらに一皮むいて勝負してほしい」と語った。


 〓登録メンバー〓

1区 加藤直人 (3)

2区◎小町悠人 (3)

3区 高橋祐哉 (2)

4区 相澤龍明 (2)

5区 石井雅士 (3)

6区 鈴木大海 (3)

7区 中島隆太 (1)

   小早川寛人(2)

   坂本健悟 (1)

   長峯弘宇 (1)

監督 小菅正男(67)

県大会の記録=2時間11分14秒

全国大会の目標=2時間6分以内、10位台

 ※◎は主将。丸囲み数字は学年。区間は県大会のもの。