24日号砲 全国高校駅伝/4 興譲館(岡山・女子) 留学生で強化、実るか

毎日新聞

チームメートたちと練習するケニア人留学生のムワンギ(手前中央)

 今年1月中旬、興譲館の藤井裕也監督(25)は一本の電話を入れた。「留学生を取ろうと思う」。掛けた相手は、チームを全国優勝に2回導いた森政芳寿前監督(60)=TOTO陸上部監督。「そうか。入れろ、入れろ」と即答されたことで意を決し、チーム初となるケニア人留学生のレベッカジェリ・ムワンギ(1年)を招いた。

 都大路で2004年から10年連続で3位以内に入り、05年と10年には優勝した興譲館。だが、14年3月の森政前監督の退任後は表彰台から遠ざかり、前回は16位に終わった。藤井監督は「このままでは選手が集まらない。スピードで核となる選手を加えて底上げをしたい」と外国人留学生の獲得を決めた。

 もっとも、5月に来日したムワンギは日本のレースにまだなじめていない。3000メートルのベストタイムは9分13秒だが、9月の岡山県新人大会は後半に失速して9分44秒。先月5日の県予選では2区(4・0975キロ)を走って13分54秒で区間賞だったが、学校の卒業生である足立知世(デンソー)が樹立した12分47秒の区間記録には遠く及ばなかった。さらに今月初めには、慣れない寒さなどで膝を痛めてしまった。

 それでも、藤井監督は「まだ1年目。彼女1人に頼るわけではない」と焦りはない。彼女と一緒に練習をしているうちに3000メートルのタイムが30秒ほど伸びた部員もおり、既に「留学生効果」を感じている。的場麻歩主将(3年)は「最初は心強い味方が増えたと喜んだが、彼女によって(部内の試合の)出場枠が一つ減る。部内に今までにない危機感が出て気が引き締まった」と明かし、エースの青木未晴(3年)も「ケニア流のストレッチなど勉強になったことは多い」と感謝する。

 19年連続出場となる今大会に向けて青木は「都大路で結果を出し、『興譲館ここにあり』とまた示したい」と強豪復活を宣言。外国人留学生を招いた強化策が早くも実るかどうか、ひとまず成否が問われる舞台となる。【前本麻有】=つづく