24日号砲 全国高校駅伝/5止 佐久長聖(長野・男子) 失敗糧に、総合力アップ

毎日新聞

「都大路制覇」を目標に練習をする佐久長聖の選手たち

 前回の敗北がチームの原点だ。佐久長聖は3区で中谷雄飛(3年)が倉敷(岡山)のケニア人留学生に競り勝ち、2秒差のトップでつないだが、4区の本間敬大(3年)が想定外のトップに極度の緊張に見舞われてしまって失速。チームの最終順位は倉敷に抜かれての2位で、8年ぶりの頂点を逃した。

 山梨学院大時代に箱根駅伝で活躍し、実業団では世界クロスカントリー選手権代表にもなった高見沢勝監督(36)は「(目標の3位以内に入り、当時の)3年生は充実感を見せたのに、1、2年生は悔しがっていた」と明かす。中でも落胆ぶりの激しかった本間には「うぬぼれるな。お前だけの責任じゃない。本当に責任を感じるなら、走りで取り返そう」と諭したという。

 本間は振り返る。「先生は僕を敗因とは言わなかった。頑張ろうという気持ちが芽生えた」。気持ちを奮い立たせ、1月の全国都道府県対抗男子駅伝は4区区間賞で優勝に貢献。ミスを必死に取り返そうとする力走に高見沢監督は「チームが『よし、やってやる』となった。失敗した選手の頑張りがいい影響になった」と指摘する。エースの中谷は「走りでチームに刺激を与えたい」と練習後にさらに1キロ走るなどの宿題を自らに課し、他の選手も自主的な練習が増えた。

 「都大路制覇」を掲げた選手たちに道のりの険しさを実感させるため、高見沢監督は全国高校総体での複数入賞、長野県予選での2時間5分台など高い目標を設定したが、選手たちは全てクリアしてきた。先月5日の県予選で出した2時間5分48秒は全国トップで、同19日の北信越大会ではさらに7秒縮めた。

 都大路初優勝の第59回大会(2008年)でマークした2時間2分18秒は歴代4位で、外国人留学生を含まない記録としては歴代トップだが、今回のチームはそれに近づけそうな総合力を備える。「1年前の失敗を言われても、今は笑い話にできる。自信はついている」と言い切る本間。忘れ物を取りに行く戦いが始まる。【新井隆一】=おわり