あす号砲 10月に集団食中毒、広島・世羅 心支えるお母さん 「前より強く」不安拭う

毎日新聞

世羅を支える「三十八花堂」の保田麻月子さん=広島市中区八丁堀で、小山美砂撮影

 京都市で24日開かれる全国高校駅伝競走大会に男女が出場する世羅(広島)は陸上部員が10月、集団食中毒に見舞われた。ショックで落ち込むチームを支えたのがメンタルケアを委託されている保田麻月子(あつこ)さん(45)。「納得できる走りをしてほしい」とエールを送る。

 症状から回復した10月下旬でもチームには不安が渦巻いていた。県予選目前なのに練習は不十分。食事を怖がる選手も多かった。男子は14年連続、女子が12年連続の都大路出場を目指している中、「自分たちで途切れる」と危機感が漂った。

アロマセラピーで香水を作り、気持ちを落ち着ける世羅の女子選手たち=広島県世羅町で、小山美砂撮影

 保田さんが代表のカウンセリングルーム「三十八花堂」(広島市)は2014年からチームを担当。保田さんは食中毒後も香りを用いたアロマセラピーなどを提案し、「乗り越えれば前より強くなる」と励ました。食中毒で1週間動けなくなった梶山林太郎選手(2年)は「気持ちが楽になった」と振り返る。

 保田さんが心がけているのが、自分で立ち直れるよう見守ること。駅伝は走り出せば一人で重圧に耐えなければならないからだ。悩みにじっと耳を傾ける保田さんは「お母さん」と慕われてきた。

 世羅は先月5日の県予選で男女とも優勝。梶山選手は「食中毒なんかに負けられるかと強い気持ちで走れた」と話す。保田さんは大会当日、ひと回り大きくなった「我が子」の姿をテレビ越しに見守る。【小山美砂】