県予選 「もっと速く」思い胸に 前回最下位、大分支援男子が順位アップ /大分

毎日新聞

 大分東明の4年連続男女アベック優勝で幕を閉じた4日にあった男子第69回、女子第30回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社など主催)の県予選大会。出場2回目の大分支援学校男子が前回大会よりタイムを8分23秒縮めるなど各チームとも力の限り、たすきをつないだ。選手たちの力走に沿道からは大きな声援が送られ、会場となった宇佐市安心院町は大いに沸いた。【白川徹、田畠広景】

 「もっと速くなりたい」。2時間46分2秒で完走し、前回の最下位(18位)から19校中17位に順位を上げた大分支援男子。チーム力の底上げを支えたのは、選手たちの強い思いだった。

 2区から3区への中継所。あと順位を一つ落とすと「繰り上げスタート」となる中、永田椋選手(2年)が必死に走り込み、16位で是永隼輝選手(同)にたすきを託した。沿道からは大きな拍手。その後も5区で吉良佳弥侑選手(3年)が区間10位(3キロ、10分47秒)に入るなど、選手たちは全区間で最下位とならずに走りきった。

 昨年は7区間中4区間で最下位。総合タイムも17位から8分の差をつけられた最下位のフィニッシュだった。支援学校では全国的にも珍しい駅伝への挑戦。選手らはもっと上を目指したいと訴えた。

 「チーム全員から『速くなりたい、強くなりたい』という気持ちが伝わってきた」。合澤理絵監督は40日間にわたる夏休みの特訓を計画。昨年はこの時期に隔日でやっていた5~8キロを走る練習を増やし、自主練習も含め毎日行う選手も複数いた。また、2泊の合宿を実施。走るペースについては、全員初心者だった昨年は顧問教師が伴走しながら教え込んだが、今年は選手自らが自分に合うペースを走り込みながら考えた。

 宮田治樹主将(3年)は「逃げ出したくなる時もあった。練習がつらくて、毎朝、選手全員お通夜みたいな顔をしていた」と振り返るほど。しかし、全員で励まし合いながら乗り切った。

 「普段はあまりほめてくれない」(宮田主将)という合澤監督はフィニッシュ後、「よく頑張ったね」と涙を見せた。「僕たちの『速くなりたい』という気持ちを先生たちが支えてくれた。昨年以上のいいタイムを出せてうれしい。駅伝参加が学校の伝統になってほしい」。宮田主将に笑顔がはじけた。【白川徹】

後輩に夢託す

 ○…気持ちが空回りしてしまった。2014年に優勝して以降、大分東明に王座を奪われ、2位を続ける大分西の女子は、「打倒東明」を掲げて練習を続けてきた。今年5月には宮崎、佐賀両県の高校と合同で合宿。お互いに競い合い、他校のいいところを得ようとしながら、チーム力向上に努めてきた。しかし、第4区で奥西杏樹選手(2年)が区間賞に輝く健闘を見せるも、「東明に追いつこうと焦り、焦りから後半がばててしまう。各区ともその繰り返しだった」(2年の木本胡実選手)。4年連続の2位。今後の課題は、いかに冷静に自分の走りをできるか。「悔しい。今すぐにでも練習を始めて東明に勝ってほしい」。麻生亜美主将(3年)は後輩たちに夢を託した。

来年につながる

 ○…序盤は作戦通りだった。2002年以来の優勝を狙う鶴崎工。エースの佐藤俊輔主将(3年)に最長区の1区(10キロ)を託し、「先行逃げ切り」を図った。佐藤主将は、期待通り快調な滑り出しを見せ、区間賞を受賞。さらに2区の太田瑠星選手(2年)も力走し、ライバルの大分東明に12秒差をつけて3区にたすきをつないだ。3区は、速さのある河野琉威選手(1年)。しかし「初出場で経験不足もあり、冷静に走れず、ペースが乱れてしまった」(秦裕二監督)。実力を出し切れず、東明に逆転を許してしまった。4年連続の2位に佐藤主将は「選手の層の厚さで東明に及ばなかった」と悔やむが、序盤は“王者”を苦しめ、来年につながるレースだった。