県予選 埼玉栄、男女で頂点(その1) 男子、区間賞独占で連覇 /埼玉

毎日新聞

 師走の都大路を駆け抜ける全国大会への出場権をかけた「男子第69回、女子第30回全国高校駅伝競走大会県予選会」(県教育委員会、県学校体育協会、毎日新聞社主催)が6日、熊谷市内で開かれた。86チームが参加した男子(7区間計42・195キロ)は埼玉栄が2時間6分7秒で2年連続37回目の優勝を果たした。60チームが参加した女子(5区間21・0975キロ)も埼玉栄が1時間11分5秒で3年ぶり24回目の優勝を飾った。両チームは12月23日に京都市で開かれる全国大会に出場する。また、男女とも上位6チームは18日に熊谷市で行われる関東大会に出場する。【畠山嵩、大平明日香、錦織祐一、橋本政明】

 降りしきる雨をものともせず、埼玉栄が1区から首位を守る盤石の走りで、2位に3分以上の大差をつけて連覇を果たした。

 レースはスタートから埼玉栄、武蔵越生、聖望学園、花咲徳栄の4校が抜け出す展開。昨年に続き1区を走った宮坂大器主将(3年)は武蔵越生の川田啓仁選手(同)との終盤の接戦を制し、4秒差でたすきをつないだ。

 2区終了時点で2位武蔵越生との差は5秒だったが、3区の白鳥哲汰選手(2年)が区間賞の快走。「いかに後半の選手を楽に走らせるかを意識した」との言葉通り、リードを1分に広げた。

 4区以降は埼玉栄の独壇場だった。1年生でメンバー入りした6区の佐藤快成選手が「差が広がっていたので思い切って前へ行こうと思った」と力走し、武蔵越生に2分59秒の大差をつけてアンカーへ。最後のたすきを受け取った7区の蟹江翔太選手(3年)は「のびのびと走ることができた」と安定した走りを見せ、連覇を示すVサインを掲げながらテープを切った。

 昨年3位の武蔵越生が2位、昨年2位の花咲徳栄は3位に入った。

関東大会は入賞を

 ○…2年ぶりの優勝を狙った武蔵越生は、2区の石川心選手(2年)が1位とわずかな差でたすきをつなぐなど前半は接戦を演じたが、3区から引き離され2位で終わった。都大路の経験がある1区の川田啓仁選手(3年)は「自分の力は全部出し切れた。卒業まで、後輩には最後まであきらめない心を伝えたい」。北村亮祐監督は「雨の中で2時間10分を切れたのは収穫だった。関東大会は入賞したい」と次を見据えた。

アンカーは兄と妹

 ○…男女共に優勝した埼玉栄でアンカーを務めたのが蟹江翔太選手(3年)と妹の、きりの選手(1年)。小学生の頃から一緒にジョギングする仲良し兄妹だ。翔太選手がテレビで見た箱根駅伝をきっかけに駅伝選手を目指そうと埼玉栄の門をたたくと、きりの選手も兄を追いかけた。5日のミーティングで翔太選手がアンカーと分かると、「フィニッシュテープを切る2人の写真が(新聞に)並んだらいいね」と励まし合ったという。レース当日、翔太選手は「頑張れ」と一言だけ妹に声を掛けた。先に走った男子の翔太選手がトップでテープを切る姿をスタンドで見たきりの選手は「自分もやるしかない」と区間賞の力走を見せた。「本当にうれしい。都大路を2人で駆け抜ける」。アンカー兄妹が全国大会での活躍を誓った。

想定通りのレース展開 宮坂大器主将 埼玉栄1区(3年)

 1区の残り約1キロ地点、横に並ぶ武蔵越生の川田啓仁選手(3年)との競り合いが続いていた。「まだ離れないのか」。粘る相手にやりにくさを感じながらも「勝てる自信はある。1番でたすきを渡すことが大事」と自分に言い聞かせ、トップでたすきをつないだ。

 2月の新チーム発足時から主将を任された。昨年も全国大会に出場したが15位と入賞できず、悔しさが残った。「主将として練習を引っ張り、チームを一つにする」。そう決意し、走り込みで率先して前に出たり、仲間の気持ちを先読みして声を掛けたりしてきた。

 主将として周りを見る意識はレースでも生きた。スタート直後から前に出ることを考えていたが、中盤まで川田選手らがついてきた。周囲を見ながら「引っ張るのではなく、ついていって最後に突き放そう」と冷静に判断。無駄な体力を使わずに想定通りのレースを展開できた。

 連覇を果たし、昨年に続き全国切符を勝ち取った。「8位入賞が目標。あえて苦しい練習に身を置き、選手一人一人を追い込んでいく」。成長を遂げた主将が全国での雪辱を誓った。【畠山嵩】