選手血液検査の報告義務 鉄剤注射の状況把握へ

毎日新聞

 日本陸上競技連盟の尾県貢専務理事は9日、毎年12月に京都市で行われる全国高校駅伝競走大会(日本陸連、毎日新聞社など主催)で来年度から出場選手に血液検査結果の報告を義務づける意向を明らかにした。貧血治療用の鉄剤注射が内臓に機能障害を起こす恐れがあるとして使用自粛を要請していたが、その後も一部で継続して使っている懸念があるため。実施方法などを大会実行委員会で協議する見通し。

 鉄剤注射は極度の貧血などに用いられる処置で、ドーピング(禁止薬物使用)ではなく、かつては国内陸上界で使用例も多かった。毎日新聞が今月23日の全国高校駅伝を前に女子都道府県代表校などに実施したアンケートでも「医師の診断指示のもと注射の治療を受けた者もいる」「本人、医師、監督の判断で使用したこともある」との回答があった。しかし、鉄剤注射は100%体内に入るため過剰摂取の恐れがあり、臓器に沈着すると機能障害を起こすことがある。このため、日本陸連では2016年から指導者らに鉄剤注射の自粛を要請してきた。

 月経で血を失う女子選手の方が貧血の可能性が大きく、尾県専務理事は「鉄剤注射使用状況のさらなる把握に努め、速やかに具体的な対策を講じたい」とコメントした。【新井隆一】