チーム紹介/上 女子・富山商(27年連続27回目) 「冷戦」乗り越え一丸 /富山

毎日新聞

会話をしながらジョギングする富山商の選手ら=富山市で、森野俊撮影

 男子第69回・女子第30回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社、日本陸上競技連盟、全国高体連など主催)が23日、京都市の西京極総合運動公園陸上競技場を発着点に開かれる。県代表として男子は高岡向陵(2年連続19回目)、女子は富山商(27年連続27回目)が出場する。両校は昨年以上の順位を目指して最終調整に励む。これまでの歩みや大会に向けた意気込みを紹介する。【森野俊】

 富山商は昨年の同大会で、全国で唯一、飯山藍佳主将(2年)をはじめとした1年生5人で臨んだ。今回も同じメンバーとなる可能性が高い。山本正樹監督(49)は「けが人もなく、県予選からまずまずの調子」と話す。

 5人は中学時代から好成績を残し、当初から有望視されていた。入学当初、同校での指導が24年目だった山本監督も「この子たちなら、これまで以上の練習にも対応できる」と、スピードメニューを増やした。大きく変えたのは1キロ走のペース。従来は3分15秒ほどだったが、3分台に設定。一方で、1日平均20キロを5キロほど減らし、一つずつの練習に集中させるようにした。

 山本監督の狙いは的中し、選手のトップスピードが底上げされた。1年間でほぼ全員が3000メートルのタイムを20秒ほど伸ばすなど、個々の能力が順調に上がった。

 「部内に中学時代から競い合ってきたライバルがいるから」。成長の理由を選手たちに尋ねると、口をそろえる。レギュラー争いはもちろん、花形の1区や5区を勝ち取るため、チームメートに遅れは取れない。恒川知優(ちひろ)選手(2年)は「いい刺激があって、高め合える関係」と話す。

 実は、そんな関係になれたのはつい最近。1年の頃は「自分のことで精いっぱい」で、まとまりがあるとは言えなかった。2年になって5人中、4人が同じクラスになり、学校生活でのささいな言動がきっかけで衝突が起き、部内にグループができた。別グループの選手とは一言も話さないといった「冷戦」状態は10月中旬まで続いた。もちろん、練習にも影響した。

 仲直りのきっかけは、約2週間後に迫った県予選……ではなく、谷口知穂選手(2年)の誕生日。部内から和解を提案する声が自然と上がったという。谷口選手は「けんかも仲直りも女子高生らしいかなと思う。けんかするほど仲が良いということ」と笑って振り返る。一方で「それまで遠慮して言えなかったり、陰口になっていたことも直接言い合えるようになった。チームとして成長した」とも話す。

 技術向上に加え雰囲気も改善され、11月3日の県予選では大会新記録となる1時間10分17秒をマークした。全国大会での目標は、県代表の歴代最高順位13位を超えること。山本監督は「個々のタイム以上のことをしてくれそう」と期待。飯山主将は「昨年の悔しさを結果で晴らしたい」と意気込む。