/上 男子・那須拓陽(3年ぶり9回目) 朝練で全員の力向上 チーム一丸「15位以内狙う」 /栃木

毎日新聞

 男子第69回、女子第30回全国高校駅伝競走大会(日本陸上競技連盟、全国高校体育連盟、毎日新聞社など主催)は23日、京都市の西京極陸上競技場を発着点に行われる。県勢は男子が那須拓陽(3年ぶり9回目)、女子は白鴎大足利(5年連続5回目)が出場する。師走の都大路を駆けるチームのこれまでの道のりや直前の表情を紹介する。【李舜】

 2年前の県駅伝。前々年、前年に続いて3連覇を目指したチームは、1位でフィニッシュした後、一時コースを逸脱したとして失格になる悔しい経験をした。「信じられずぼうぜんとした」。1年生で出場し、2区区間賞だった小野恵崇主将(3年)は振り返る。

 雪辱を期した昨年は、洗わずに取っておいた前年のタスキをつないだが、トップの佐野日大に3分以上の差をつけられて3位。それだけに、今年の優勝直後、選手からは「自分たちの代で復活を遂げられて良かった」と笑顔が漏れた。

 勝因はチームプレーを徹底したことだった。1区で小野主将が、高校総体1500メートル2位の佐野日大、樋口翔太選手(3年)に無理について行かずにペースを守るなど、全員がプラン通りに走った。そして最終区で、益子翔太郎選手(3年)が佐野日大のアンカーを振り切って逆転勝ちした。

 鈴木賢一監督は「力的には佐野日大が抜けている中で、選手たちはよく我慢した。チーム全員でつかんだ勝利だった」と語る。

 強さの秘密は、部員全員が参加する朝練にある。朝日が差し始めた午前6時半ごろ、同校のグラウンドに選手が集まってくる。個別にアップを始めた後は、一部の女子部員を除いた全員で行う集団走が始まる。

 1周300メートルのトラックを徐々にスピードを上げながら10周するビルドアップ走。小野主将ら走力のある選手が先頭で集団を引っ張る。力が劣る選手も、実力のある選手が作るペースについていくため、次第に力が上がっていくという。

 中学時代にサッカーで全国ベスト8になり、高校で長距離走に転向した菊地圭太選手(2年)が「最初はついていけなかったが、次第に力が付いてきたことを実感する」と話すように、部員全員の力が向上。1年生ながら県駅伝2区で区間賞だった工藤巧夢選手は「最初は練習の意図が分からなかったが、今は理解できる。朝練がうちの強さにつながっている」と話す。

 大会新記録をたたき出して県駅伝を制した3年前のチームと比べて、実力が抜きんでた選手はいない。しかし、鈴木監督は「大砲はいないが、総合力はある。レースは7人で走るがチーム一丸となって戦いたい」と意気込む。

 チームのスローガンは、悔しかった2年前から変わらない。「相手の想像を超えろ」。小野主将は「都大路に出たくて出たくてしょうがなかった。チーム一丸となって相手を驚かす走りをして、15位以内を狙う」と決意を新たにした。


 ◆メンバー表◆

監督 鈴木賢一

小野恵崇<3>  14分35秒1

益子翔太郎(3) 15分19秒7

伊藤昴(3)   14分51秒6

阿久津佑介(3) 15分22秒

菊地圭太(2)  15分16秒4

深井琉聖(2)  15分2秒3

青木翔(2)   15分49秒

工藤巧夢(1)  14分56秒2

海老沢憲伸(1) 14分59秒5

桜井勇生(1)  15分25秒

 ※左から氏名、学年(<>数字は主将)、5000メートルの今年度ベスト記録(大会申込書に基づく。1秒未満は切り捨て)、県大会で走った区間