女子 「必笑」で新潟産大付 励まし合い、走り込み /新潟

毎日新聞

 2年前、全国大会に初出場した新潟産大付は破竹の勢いで県大会を3連覇、今年も都大路行きの切符を手にした。県大会では4区まで新潟明訓の背中を追っていたが、5区アンカーのマーシャ・ベロニカ選手(3年)=ケニア出身=が54秒差をひっくり返し、トップでゴール。圧倒的な速さを見せつけた。

 チームのモットーは「笑顔でたすきをつなぐこと」。特にたすきリレーの時には、どんなにつらくても、次の走者に笑顔で託すのがチームの鉄則だ。「駅伝は一人ではできない。『自分は頑張れたから、続けていこう』という思いでたすきをつなぎます」。宮山碧唯主将(同)は語った。

 徹底的に走り込むのがチームの練習スタイルだ。今年8月、岐阜県で3泊4日の合宿を2回行った。ハイペースなレースにも対応できるようにするため、400メートルをダッシュした後、1分半の休憩を挟んでまたダッシュ。それを15本繰り返すといった特訓だった。それでも宮山主将を中心に、常に笑顔を絶やさず、互いに励まし合って乗り越えた。

 絶対的エースは、県大会で5区を走ったベロニカ選手。3000メートル9分5秒台と、チーム随一の好タイムを誇り、1、2年時にも都大路進出の立役者となった。仲間たちがベロニカ選手に寄せる信頼は絶大だ。

 「日本に来た当初はホームシックや環境の変化など、なかなか大変そうでした」と田中裕也監督は語る。成長痛に悩まされ、柏崎の冬の寒さも体にこたえた。雨の降る日は「練習したくない」と言い出すこともあったという。

 しかし宮山主将をはじめとした周囲の支えもあり、3年間で日本の環境に徐々に慣れた。今ではレース日の朝食には納豆が欠かせない。「最初から飛ばして、ラストの駅伝を楽しみたい」。ベロニカ選手は満面の笑みでそう語った。

 「個性的な選手が多いですね」。宮山主将にメンバーの印象を聞くと、はにかみながらそう答えた。

 選手それぞれがレース前の個性的な“願掛け”を持っているという。県大会1区の田中絢音選手(2年)は、レース前日の夕食に家族でおこわを食べる。同2区の岡田果瑚選手(同)は直前にようかんを食べるという。それぞれの願掛けを終え、黒と黄色のユニホームに身を包む姿は、県内王者の風格を感じさせる。

 「大きなけがはなく、万全の状態。調整をしっかりして臨みたい」。田中監督は表情を引き締める。今年の全国女子駅伝は30回記念大会。47都道府県の代表に加え、地区代表11校の計58校で争われる。「とにかく笑顔で、楽しんで走りたい」。「必勝」と「笑顔」をかけたチームのスローガン「必笑」を掲げ、3年連続の都大路で、目標とする「37位以内でのフィニッシュ」を狙う。【北村秀徳】