チーム紹介/下 男子・高岡向陵(2年連続19回目) 対話から競技力向上 /富山

毎日新聞

練習後に雑談する高岡向陵の主力メンバー=富山県砺波市で、森野俊撮影

 2年連続で全国大会に出場する高岡向陵は昨年の都大路の経験者が6人残る。同校OBで技術面の指導を任されている砺波市体育協会職員の新井和祉さん(45)は「個々の力は過去最高。2時間1桁台の力はある」と自信をのぞかせる。

 毎日、午前7時から6000~8000メートルを全員でまとまって走る朝練習が強さの秘訣(ひけつ)だ。選手の能力はそれぞれだが、あえて一緒に走ることで自身のレベルを知る。これが、放課後の練習や自主練習などで各自が努力することにつながっているという。

 放課後は、主に学校周辺の路上をそれぞれのペースで走る。自主性に任せられているため、手を抜くこともできる。だが、宮木快盛選手(3年)が「朝練で恥ずかしいことになりたくない」と言うように、朝練のシステムが好循環につながっている。選手が「その後の授業がきつい」と口をそろえるのは言うまでもない。

 指導陣は技術と生活面で分担しているが、共に徹底するのは「選手個人との対話」だ。昨年8月に就任した菊永祐二監督(55)と、2002年からコーチを務める新井さんがそれぞれ違う角度から選手を鍛える。

 「腕が少し下がっている」。週に2回程度、砺波市や高岡市にある陸上競技場での練習の際に、選手を1人ずつ呼び出し、細かいアドバイスをする新井さん。「全員いる前で反省点を挙げても、伝えたい相手に直接響かない。感じたことはすぐに本人に言うことにしている」と話す。

 一方、菊永監督は部活動以外の生活について指導。約10年のサッカー部の指導経験から「人としての生き方や、人との関わり方も競技力の向上に関係する」と断言。健康状態や勉強面だけでなく、人間関係などを重視する。「個人がそれぞれの距離を走るが、1人ではできないのが駅伝。責任感の強さもタイムに関わってくる」と説明する。

 11月の県予選以降、全国大会に照準を合わせる。体調を整えるため、選手と保護者を対象に管理栄養士による家庭の食事に関するセミナーを実施。今月13日からは校内合宿を始めた。大会が終わるまで選手は自宅に戻れないが、菊永監督は「同じものを食べて同じ時間に消灯し、生活リズムを一定にすることで一体感も増す」と狙いを話す。

 今大会は同校で過去最高の29位以上が目標。昨年42位だったのを満足しておらず、長尾大輝主将(3年)は「前回と違って3年生はこれがラストチャンス。全員が悔いの残らない走りをして帰ってきたい」と意気込む。【森野俊】